地域活性化・関係人口・地域おこし協力隊・クラウドファンディングの問題と実態、実例を踏まえて解説

     

 

農家の平均年齢68歳で高齢化。

農業所得全国平均121万円で担い手不足。

行政は、新規就農を促進しているが、

個人的には現状の行政で富山県各地の市町村で農業に対しての補助政策はなく、

新規就農、移住して農業転職は、お勧めしない。

現に富山県内の地域おこし協力隊で退任後に専業農家になっているのは、

私を含めて朝日町の営農組織に1名?の合計2名だけで、

まだまだ生計が立てられる状況になっていない。

行政は、こういった農家の危機的状況を知らないか、実体を隠している。

今回は、氷見稲積梅を通して、富山県の中山間地域の農業実態、実例を踏まえて

地域活性化、関係人口、地域おこし協力隊、クラウドファンディングについて書いてみた。

≪目次≫

他とは異なる農村体験/稲積梅摘み取り

稲積梅栽培農家の実態と関わり

よそ者、若者、馬鹿者の地域活性化の現実と実態

見境ない美味しいところどりの漁夫の利

「自分探し」が多い地域おこし協力隊

生産者として物言いたい氷見稲積梅のクラウドファンディング

地域に寄り添った関係人口づくり

近郊飲食店や宿泊施設との連携・経済効果

富山の未来観光/アフターコロナ

 

他とは異なる農村体験/稲積梅摘み取り

6月18日から29日まで7日間、延52名の人々が参加し、稲積梅の摘み取り作業を終えた。

Nomachi(ノマチ) の農村体験は、主催者だけの利益より、

地域貢献や地域との連携を常に考えている。(だからいつも赤字)

 

初めは、小さな成功体験をするために摘み取り体験イベントを実施し

地域住民に自信をつけさせたのが6年前の2016年から2019年。

下図 稲垣文彦先生が「震災復興が語る農村再生」コモンズ2014 

図解の通り体験イベントを通して

①外部と繋がり、

②体験イベントを成功させる演出を進化させ、

③主催者(NOMACHI)と地域の共通体験を繰り返す

こういった小さな積み重ねを4年間続けて地域の生産農家の窓口を開き、

過去「稲積梅が知られない」というネガティブ思考から

自信と誇りをもてるような生産農家への脱却となり

ようやくゼロの地点にたどり着こうとしている。

 

4年間の体験イベントや通年通して行ってきた地域づくりにより

今までは有料広告でしか宣伝しておらず無名に近かった稲積梅を

プレスリリースという手法でマスメディアにラブレターを送り

無料で新聞やテレビなどのマスメディアで取り上げてもらうことに成功し、

今では生産者自身でプレスリリースを行って情報発信を行っている。
(上記図の④や⑤の内容)

都市農村交流の小さな成功体験と

稲積梅生産農家のサポートで梅干しづくりや草刈り、

剪定などの農作業を継続的にをコツコツと積み重ね

生産団体からの信頼を得て、2019年冬より10年間放置されていた梅園4反と

新規に梅を定植した梅園2反を任された。

このステップにより、稲積梅のブランディング、

ホームページ制作や、カタログづくりも任されるようになった。

また、地域づくり・担い手づくりでは

体験イベントから一歩前に進んで、梅の栽培をやっている伝っている)から

生産者(任されられる)という立場にステップアップし進化させた。

他団体のクラウドファンディングのような華やかさはなく地味な活動だが

2年前(2020年)からは、体験イベントの交流人口から

さらに踏み込んだ摘み取り作業体験を行い関係人口づくりに切り替え、

年々多くの参加者に協力頂き稲積梅の知名度を広げブランディングとなっている。

(上記図の新たな①②③の内容)

また、今年度は私が所属しない他団体の摘み取りがなされていない梅園にも

応援に来て欲しいと要望があった。(上記図の新たな①②③の内容)

個々の梅園農家は、自分のところを行うだけで精一杯。他の梅園にまでお手伝いは

よっぽどのことがないと行わないが、関係人口の人々でのお手伝い出来たことは、

新たな取り組みであり、農業の担い手不足の解消の1つとして今後も展開していきたい。

 

6月18日㈯ 06名 地域の婆ちゃん親方と呉西からKさん家族4名

 

6月20日㈪ 05名 地域の婆ちゃん親方と氷見市のIさんと友人、新規で呉東からHさん

 

6月22日㈬ 10名 地域の婆ちゃん親方と呉東から3名、呉西4名、氷見市1名

 



6月23日㈭ 06名 地域の婆ちゃん親方と呉東から4名

 

6月24日㈮ 04名 地域の婆ちゃん親方と石川県から1名、呉西から1名

 

6月25日㈯ 06名 地域のばあちゃん親方と呉東から3名、愛知から1名

 

6月26日㈰ 12名 呉東から5名、呉西から3名、氷見市から2名、前日からの宿泊された愛知から1名

 

6月29日㈬ 03名 呉東から2名

総勢52名(NOMACHI含む)、通りすがりの会話だけのおじちゃん、おばちゃんはノーカウント

 

稲積梅栽培農家への関りと実態

私が稲積生産組合と関わって3年目、イベント企画運営から始まり、

そこからの縁で梅園の草刈り、摘み取り、剪定とアルバイトを行った。

そうして3年経過して10年間放置された梅園を当てがわれた。

最初の説明では、反当り40万円の収入があると言われた。

私自身、自分の収入より将来氷見の田舎に誰もが移住して半農半Xで暮らせる生活を目的としているので

稲積梅で反当り40万円の収入は、米づくりでの平均収入10万円から見ると4倍の収入であり

1個人が管理するのに2反程度なら米づくりや野菜づくりの隙間で出来る可能性を秘めており

都会から引っ越し氷見で農業従事するものについては、魅力的な内容だった。

しかし、実際に梅園を管理してわかったことは、田舎の人々は悪気があるのかないのかは不明として

自分たちの悪条件については語らない傾向がある。

今回も、梅園は10年間放置されていたので収量は他の梅園の1/4以下。

それでもって草刈りや剪定、梅園の管理は、荒れた木々を扱うので4倍ほどかかるというのが

梅園管理を任されて初めて判明された。

 

10年以上放置されてた梅の木 倒れてからも生命力で這い上がった
しかし、通常の梅の木のように太くてしっかりしていない

 

10年以上放置されていた梅の木 木が細く倒れ掛かっているのも多い

 

故に甘い言葉の反当り40万円は、剪定をまじめにコツコツと行い良い梅園に改善し、

他の梅園と同等収穫を行うには、10年以上かかる予想(そうなったら私は63歳)

けど、そうやって地域(今回は稲積梅生産組合)の信頼を得ていく。

 

梅干づくり 紫蘇づくり作業
作業を行いながら、blog、Facebookで情報発信し
稲積梅のブランディングをゆっくりと広げる

結果、今まで自分たち地域だけで間口が狭かった田舎のおっちゃんたちの心が開き

『ここまでだったら都市住民にやらせても大丈夫かな?』

という都市と農村の交流出来る選択肢がどんどん増えて地域の活性化に繋がる。

梅に限らず地域の先輩方(生産団体や活性化団体)の窓口を開くことは、一朝一夕では出来ない。

 

よそ者、若者、馬鹿者の地域活性化の現実と実態

一昔前、地域を活性化させるには、

「よそ者、若者、馬鹿者」が地域を活性化させるともてはやされていた。

そういった先人たちの地域活性化は、上記に述べた「地域おこしのステップアップ」図における

①②③の活動を行って④や⑤になり、それから⑥の事業展開を行っているので

全国のモデル事業となっていった。

私自身も氷見市地域おこし協力隊時代、地域の実態の様子を1年ほど見て、

その後はほぼ月1から3ペースで新聞で地域住民のこれまでの活動の延長線上で

地域が取り上げられることを繰り返し行い(①②③の繰り返し)

自信の呼び戻しを意識していた。

地元住民は、地域おこし協力隊に私のような地域密着型で地域が主役の活動を期待をした人は少なくない。

私自身、地域おこし協力隊1年目は黒子に徹し、自分自身が新聞記事に掲載されるように行ったのも3年目からだった。

しかし、他の1期から2期の氷見市地域おこし協力隊は、自分たちが主役で目立ちたい、

目に見える実績ばかりにこだわりたい

彼らにや担当行政職員に注意勧告しても聞き入れてもらえず

そんな暴走の地域活性化で、

『既存の団体は入りずらいから』
(テレビニュースでも意見を聞かれて公開報道されていた)

といって、自分たちが主役のコミュニティスペース

「ヒラク」 を街中に開設した。

https://himihiraku.localinfo.jp/

 

が、地域の先輩方はおろか、地元の若者たちとの窓口は広がることはなく、現在に至っているが、

地元住民と移住者の壁が大きくなるだけなに気付いていない。

故に、上記「地域おこしのステップアップ」図の通り、

よそ者、若者、馬鹿者も、地域に入って、地域の実態や課題を知ってから動かなければ

地域活性化にはつながらないし、地域の本質を理解せず、他のところで賑わっている上っ面だけを

衰退した地域に持ち込んでも、偽物であり、金メッキであるから

そのボロはすぐに剥がれてしまう。

2021年まで氷見市地域おこし協力隊のオブザーバーも、地域に寄り添った活動が少なく

対外的な部分を強化しそれが行政には評価されていたが、地域には溶け込まず評価されずらい。

また、3期、4期地域おこし協力隊も上記でいう地域への携わりについて

地域づくりをやっている=指示されたことをやっているだけであり

地域づくりのどんなことでもよいから地域から任されているものはない。

今時の若者の責任を取りたくない、責任ある仕事から逃げ出す

そんな応対は、地域の年配方からは浅く見えて任せられない。

結果、氷見市地域おこし協力隊退任後に協力隊任期中のミッションと同じ事業に携わっている人が少なく

別の形で氷見市に定住もしくは、他の地方に引っ越ししたのが現状である。

 

見境ない美味しいところどりの漁夫の利

若者や行政あるあるのもう一つは、見境ない美味しいどころの横取りの漁夫の利。

私自身が広げた窓口で、賑やかになってきたことで別団体の梅の組織から

見境なく鞍替えして体験イベントをしている方もいるようだ。

別団体がもともと、活動力が小さかったのことは当然のことながら、

小さく小規模だからこそ、地域活性化をしたことの未経験な若者たちが

共に手を取りさえ、試行錯誤しながら、がんばることに意義があると私は思えるが、

若者たちの思考では、辛かったり嫌だったら辞めればよい。

だから、歯を食いしばったり壁にぶつかったときに逃げる傾向があるように感じる。

切り捨てられた団体が可哀そうだし、鞍替えする若者団体についても?疑問を感じる。

田舎のおっちゃんたちから見たら、初めのうちは喜ぶが、

単に自分たちが若者に使われているだけの駒だと数年たって理解し、

若者たちが、本当に自分たちの後継者になってくれるとか、

生産物を高値で販売する市場ルートの開拓を行わなければ、切り捨てられてしまうし

移住した若者らはまた新天地に向かい、地域の衰退はさらに拍車がかかる。

同様に行政職員は、他県で行われている地域活性化事業の表面だけ

「地域おこしのステップアップ」図の⑥地域の持続可能に向けた取り組みだけしか見ておらず、

税金を使って地域を動かしても、本質の①、②、③の地域特性を飛ばして行う事業だから、

何をやっても3年間の補助事業時期だけの盛り上がりで、その後に継続発展されていない事業が多い。

 

「自分探し」が多い地域おこし協力隊

空気を読むことが上手な若者は、そんな空気をいち早く察し、

自分たちが必要でないと判断し、逃げて新しいものに鞍替えする

特に氷見市地域おこし協力隊2期は、着任当初のミッションを行わず、

自分たちの好き勝手を行政職員が許していた

詳細についてはこちらのblog 
/blog/20180

 

そんな逃げて常に新しい物に鞍替えするような行動パターンを行う若者を

私は、

「自分探しの人間」と位置付けて呼んでいる。

地域おこし協力隊隊員には、

都会のサラリーマンやOL、酷い人だと、企業に就職も出来ずに組織に馴染まない

一定の職業に留まることが出来ない人材が、田舎に逃げてきて、

地域おこし協力隊に入っているケースも少なくない。

都会で自分探しを行っていても、受入れ行政職員が、そういった若者たちの教育を行えばよいのだが、

受入れ行政職員自身が、無能で自分たちの経歴を重視し、

3年間都会の若者が任期を全うすることに重点をおいて、

教育もせず、無放置状態であるパターンも少なくない。

私の知っている限り、南○市の某地域の住民は

「地域おこし協力隊を受け入れたくない」と話されたいたし

小○部市や朝○町のおちゃらけイベントばかりを繰り返して地域に馴染まず

去っていき、地域おこし協力隊に対して地元住民の憤りは激しい。

地域おこし協力隊のような若者の考えるお祭り騒ぎの活性化をメイ活動にする若者たちは、

上記に示した『ヒラク』のように、

地域貢献と称しながら自分たちが目立つことが一番のような活動や対応が多い。

本当に地域の人々が主役だったり、地域が潤うような仕組みの目的も無く、

地域への寄り添いじゃない内々だけの盛り上がりでSNSだけで華やかで

外部には見栄えがよいが、住んでいる地域住民からの評価は低い。

 

生産者として物言いたい氷見稲積梅のクラウドファンディング

※本記事に関して主催者側から多々憶測だとの指摘(7/6)がありましたので、
現在憶測部分を指摘して頂くように要望中です。(7/8現在の状況変更次第随時修正加筆)

主催者側投稿内容(2022/7/6)

 

NOMACHI返答

 

 

 

 氷見稲積梅のクラウドファンディングでは、

稲積梅が全国的に知名度を広げることが出来たことは一定の評価をしたい。

しかし、クラウドファンディングに取り上げられた個人農家が潤うだけであり?

次に繋がる商品開発が不明?や

その方の所属する組織が潤うかどうかの活用方法が極めて不明であるように感じた。

確なのはクラウドファンディングの内容の文章を読んでいても、

1年通して生産者に寄り添った記事ではなく、

一朝一夕で携わった結果なのだろうとしか感じられない。

 

今回のクラウドファンディングを市場価格で換算して推移してみると、

稲積梅の末端価格400円/500g (生産者出荷値100~125円/500g)を返礼品設定した場合

企画主催者が5割近く(26万円)の総取りであり、梅農家への還元が1割程度(5万7千円)となった。

稲積梅以外のクラウドファンディングの返礼品は

・稲積梅と関係が薄い富山のギフトガイドや

・発案者のゲストハウス(主催者側経費)や

・発案者の知人のガラス作家のガラス細工(主催者側経費)

・稲積梅とこれまで関わってきていない主催者が開設予定の宿について

ギフトガイド、ゲストハウス、高額企業向け商品の支援者はゼロ人であったことから、

稲積梅への貢献を考えていても、自分だけの利益に繋がるような意図があるものに対して

支援者側も厳しい適切な判断を下したと言える。

今回の稲積梅クラウドファンディングで潤うのは上記表の通り

クラウドファンディング会社へのマージン2割、送料1割、梅以外の返礼品経費1割とすると

梅農家でもない主催者に大きく残り5割割近くが発案者たちが儲けているのでは?と疑ってしまう。

稲積梅の加工を行っている氷見稲積梅株式会社も紅梅サークルも

加工品を多数あるのに返礼品にあげられていないのは、

発案者のお洒落感と極一部に響くターゲット層に限定に偏った取り組みであり、

地域ファーストになっていないと感じられる。

また補足だが、梅シロップ用の梅なら、

朝採れじゃなく冷凍させて1度繊維を壊したほうが梅エキスが出やすく美味しい。

氷見稲積梅生産組合では、冷凍梅で梅シロップ講習を行っている。

商工会議所所属の氷見ビスが絡んでいるようだが、

新商品開発が目的なら中小企業庁の小規模持続化補助金に申請し

3/4補助で100万円支援するほうがよっぽど効果的であるし、

自己負担分をクラウドファンディングにして商品開発したほうが地域の負担も少なくなり、

よっぽど効果的であり地域の人々から感謝される。

私自身この小規模持続化補助金制度を3団体文書作成に携わって

地域の人々から感謝されている。(作成費用もゼロ円)

梅農家の現場では祖父から現体制で親の後を継いでいるが、

父から子供へ稲積梅の栽培農家を志したいかという質問を行っても

意欲的に継続していきたいという話しは聞こえてこない。

こういった現状から栽培農家を辞めた場合は、

生産組合が肩代わりして何とか梅園を保持しているが、

限界ギリギリの逼迫した状況は変わらない。

これは梅に限らず、氷見のリンゴ農家では、大切に育てたリンゴの木を後継者不足だから、

熊の餌になると言って何十年手掛けてきたりんごの木を伐採し更地にしていた。

本当に稲積梅の認知度を高めて来年以降稲積梅の付加価値が

1割でも2割でもアップする取り組みなら大歓迎するが、

自分たちだけが目立ちたい、

便乗して新しいゲストハウスを知らせたいというクラウドファンディングなのか、

氷見稲積梅にとってこのクラウドファンディングが本当にプラスなのか疑問に思えるが、

主催者の来年以降の地域への関りに大きな期待をしたい。

 

今回のクラウドファンディングで氷見稲積梅生産農家の端くれとして、

氷見稲積梅全体の特色よりも

1生産農家のことばかりに脚色しすぎて、

氷見稲積梅の価値が薄らいでいるように感じた。

出来れば、今年の夏からとじっくり稲積梅生産者と向き合って

1年間通して農作業に従事し、稲積梅の本当の良さを多くの人に伝えて欲しい。

私が思う氷見稲積梅のすばらしさの1つとして、他県の梅が農薬回数が平均12成分であり、

通常の稲積梅の慣行農法なら10成分前後行われている

さらに氷見稲積梅でもクラウドファンディングした地理的表示(GI)認証をうけた

特別栽培の稲積梅では、農薬成分が5成分以下であり、

農家の努力によって栽培された素晴らしい富山県の固有種の梅である。

摘み取りだけの楽しい部分でしか生産者と向き合っていないと

こういった農家の努力や苦労が判らないし、

主催者側のこれまでの活動内容を見て地域からの愚痴や不満に耳を傾けると

再度地域に寄り添った活動への転換期に気付いて欲しい。

華やかで一時だけの楽しい活動は都会人に受けはよいが、

担い手促進にもつながらないし、生産者の価値を高めていない。

だから1年通して地味でこれまで逃げてきた草刈りや農薬散布、剪定などの

地味で辛く他の人が遣りたがらないことも含めて

地域に関わってからのクラウドファンディングを実行することでより

地域の理解を深めることと、生産者からの支援を得ることが出来たのに、

自分たち中心の考えでこのタイミングで行ったことで次回以降改めて欲しいと思う。

若者たちの言い分では、

「自分たちもやっている。

 見ていないのに推測で言わないで欲しい」

というような反論が出るかもしれないが、私がいう携わりは、

生産者に言われた指示だけ行う「やっている」ではなく

生産者から全てを委ねられる「任させる」

そして、任されると同時に、他の高齢化した生産者の支援サポートまで含めた活動が

私の待った無しの「やっている」に値する。

任された活動ならば

WEB上でなくても現地で見ることも出来WEBをしらない高齢者でも

活動の見える化になっている。

上記「地域おこしのステップアップ」図において、

今回のクラウドファンディングは、①から⑤の地道な活動を飛ばし

いきなり地域に入ってきた若者たちが

自分たち都合による⑥の事業を遂行し、

地域の実態や生産物の本質が見えていないでやってしまった感満載だ。

・地域の現状を知らないまま首都圏に出向いての移住定住コンシェルジュ

・地元商店街が潤わない外部主流のマルシェ

・主催者だけがやりたくて地域が求めていないドックランや海の家

・社会人経験無しの学生がターゲット層絞れていない・地域にお金が落ちない格安体験ツアー

などなど富山県内の地域活性化と称しながら失敗事例で継続していない、発展していないものは上げればきりがない。

 故にクラウドファンディングで生産者の後継者不足は変わらず逼迫しているし、

この問題を意識して生産者に寄り添わなければ、

あと数年で体験も梅の販売も出来なくなる時代が訪れる。

氷見稲積梅に限らず、富山県、全国各地での特産品が同じような危機になり

そのモデル事象になりうるような展開を若者に期待しているのが今の行政や地域の要望であるが、

大事な「地域おこしステップアップ」①から⑤の大切さを経験したことがない人が上に立っているので

この重要なことをすっ飛ばして⑥の事業づくりに特化している人が少なくない。

 

 

地域に寄り添った関係人口づくり

 

家族、親せきを集めての梅の収穫作業の様子

 

梅の摘み取り作業で他の生産者は、家族や親戚総出でいつもこの時期は、戦争である。

だから誰でも他の生産者に紹介ということは行わず、まずは地域に馴染めるよう

今回も Nomachi(ノマチ)の梅の摘み取り作業体験で地域に馴染む予備機関となっているのが

他の地域おこし協力隊や関係人口づくりとは異なる特徴である。

ひみ里山くらぶの関係人口イメージ

 

行政主導型の関係人口イメージ

 

冒頭で述べた通り、他団体とは異なりお客様扱いを行わないワンランク上の関係人口づくりの一環としての農村体験であり

収穫から選別まで全ての工程を行い、

摘み取りで誤って地面に落としたものは、商品にせず廃棄、自分たちの手でB品、C品(廃棄)を選別するときにも、

『もったいない』

『これ、B品?スーパーでならA品で販売しているよ』

選別状況

と落胆の声があったが、生産者の辛さも同時に理解出来るので共感してくれて

リピーターがさらに友人や家族を連れてきて学んで帰る仕組みが出来ている。

Nomachiの体験された人の中には、B品でもA品の値段で購入し協力したいという申し出は、農家としては、嬉しい限りである。

自分だけが儲けない、それが地域作りには大事なことであるが、若者たちの地域作りに付いて行けず交われない。

 

また今年度は、氷見稲積梅が例年以上の豊作であったため、

NOMACHIで行っている農村体験での関係人口=ひみ里山くらぶサポーターに

稲積梅生産組合から、摘み取りが出来なくなった梅園の梅の摘み取り作業の依頼を受け、

募集した翌日から2日間(7月2日㈯8名、3日㈰7名)で合計15名の都市住民が梅摘み取り作業をサポートしてくれた。

 

近郊飲食店や宿泊施設との連携・経済効果

私の場合、さらに地域の周辺で頑張っている飲食店や宿泊施設などとの連携も欠かさない。

大抵が初めて訪れる飲食店で皆さん次回も訪れたいと感動させられる飲食店である。

このような梅だけでなく、地域全体を巻き込んだ農村体験を実施し、

氷見での滞在時間は1時間でも厳しいという頭の固い観光関係の人が着目しない滞在型観光で1日、

県外からの来訪者でも1泊2日以上でも満足の頂けるプログラムを富山県民や石川県民の支援者を通して展開している。

飲食店の詳細は、

18㈯ハンバーグが美味しい レストハウス ツーロン

 

20㈪氷見うどんならココ 製麺所 なごみ

 

22㈬ワンランク上の農家レストラン ふる里膳新

 

23㈭地域のお母さんの味 ほっと

 

24㈮スープが美味しい もやいこ

 

25㈯昆布料理のフルコース Craftan(クラフタン)

 

26㈰越前蕎麦の打ち立て ほっと

 

29(水)家庭菜園で料理が奏でる 稲泉農園カフェ・オーチャード

 

と、地域で特徴があり都市農村交流に協力的な飲食店である。

本来なら最終日曜は、速川地区にあるソライロで毎月最終日曜は、地域のお母さん料理の日で、それを狙っていたのだが、

元地域おこし協力隊シェフが今月の売り上げが悪いからと言う理由で、お母さんたちの活動日を没収し、自己の利益優先させ、

お母さんたちの料理を楽しみにしていたファンとしては残念である。

速川ソライロ 毎月最終日曜日限定のお母さんたちの手作りランチ(5月29日版)

 

農村体験では、ある程度厳選した中から参加者を選んでいるので、地域作りに対しての理解力も高く毎日満足を頂き、

経済効果も日帰りでありながら、1人あたり10000円から20000円ほど上げている。

他団体は、参加費ゼロから格安なプログラムが多く、経済効果は、ゼロまたは、マイナスであったりする。

速川地区でも最近頑張ってくれている。

Iねーちゃんの梅イベントは、生産者の状況を把握しを生梅や他商品の販売も含め地道な地域貢献活動されて評価出来る。

 

富山の未来観光/アフターコロナ

今は、富山石川を中心に募集をかけているが、アフターコロナの後、

東京名古屋大阪の大都市圏をターゲットにした滞在型観光を目指せば、

薄利多売の団体旅行で旅館だけが儲かる仕組みよりも

地域の様々な業界が潤う個人向けの滞在型観光のほうが富山らしいのではないだろうか・・・。

漁夫の利で日頃から農村と向き合わず美味しい処だけ持っていく団体もあるが、

農村観光の間口は広がる。

けど、そんな団体には農家さんの足を引っ張るのではなく、

収益を上げることや隠された苦労にも視点を向けて欲しい。

今私や私の活動に賛同してくれる団体は、お互いが協力し、

都市住民との関係人口の氷見モデル型をつくろとしている。

このモデル型を富山県内の中山間地域に広げていければ

全国でも類をみない農村観光県が生まれると信じている。

今回も、朝日町や魚津市から学ぼうとする団体や個人もいて、

富山の中山間地域のネットワークの輪がゆっくりと広がろうとしている。

参加者の声

Tさんのコメント

稲垣さん、お疲れさまです!今日は大変お世話になりました??

何だか空気が合うというか、皆さんと初めてお会いするとは思えず、

事態を飲み込みきれていない夫まで巻き込ませていただいて?

短い時間でしたが、大変楽しかったです。

 

Nさんのコメント

Nomachiさん主催の特別栽培稲積梅摘み取り体験に長女ちゃんと参加させて貰いました。

バックグラウンドが異なる老若男女が集い汗かきながら、

ウグイスのさえずりを聞きながら梅の優しい香りに包まれての作業でした。

作業開始前には固有種、稲積梅の特長、GI(地理的表示保護制度)等についてレクチャー受けました。勉強になります!!

作業開始前にはしっかり準備体操もして

作業合間の休憩では大変美味しい梅の発酵ジュースをご馳走になり。

摘み取り体験の後には選別作業も体験させて貰いました。

いつも消費者側である私がほんの少しだけ生産者側の体験させてもらい

食べ物の大切さを改めて考えさせられました。

娘ちゃんも同じく感じていました。

有意義な半日でした。摘んだ稲積梅も格安で分けて頂き嬉しい限り。感謝。感謝。

 

Hさんのコメント

先日の梅の収穫のお手伝いが楽しくて未だ頭の中が富山から帰ってきていない。

何故わざわざ富山に?と他の参加者の方々に聞かれた。

確かに。私の周りにも田畑は多く、自然豊かだ。

手伝いたいですと交渉しに行ったこともあったけど、

農は辛い、きれいな仕事じゃないと思っている農業を営む方からすると、

何でわざわざ?家庭菜園でもやったら?の答え。

農業体験も1日限定や親子体験、収穫ちょっととあとは試食会なものが多いため気が向かず。

で、富山まで来てしまった。

草刈り教習を眺めながら草の上にジャンプしたり寝転がったり。

稲垣氏に呑気だねと言われようが今の場所の拠点を置くしかない今は、

時々手伝いつつ富山を味わわせていただくより仕方ない。

稲垣さんのイベントに参加する人は優しい人が多いですね、

とおっしゃっていた参加者の方の言葉に納得し、また行きたいと考えている。

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