2020/12/14
原木を90㎝の長さに切断する作業を玉切りと呼び、
12月1日から13日まで、述べ12日間行い、述べ47名(受入れ側19名、一般参加者28名)の人々が玉切り作業に携わった。
作業は、単純で、原木を運ぶことも自己の負荷に合わせて持ち運ぶ、放り投げる。
コンクリート地面に慣れ浸しんでいる都会人にとって、
泥だらけになって汗をかくこと自体が少なくなっているので、参加者の人々から楽しかったとの声をたくさん頂いた。
※画像取り合忘れが多くありますが、このほかにも、多くの人々が参加してくださり、この場を借りてお礼申し上げます
昔ながらの林業
林業業界の一般向けに行われる体験としては、
杉やヒノキなどの針葉樹を大型機械で効率化して作業を行う様子の伐採見学や
落葉樹の植林体験が中心であり、今回のような玉切り作業の体験は、行われていない。
多くの地域で開催されている植樹体験
里山での林業は、建築材となる杉やヒノキなどの針葉樹の栽培と同時に、
火力燃料やキノコ栽培の材料となる落葉樹の栽培もおこなわれていた。
しかし、昭和30年代頃までは、竈(カマド)に薪を入れて煮炊きをしていた台所や一家団欒の居間にあった囲炉裏での炭も、時代とともに、竈や囲炉裏がある家の作りはなくなり、同時に薪や炭も役割を無くし、生産者の高齢化とともに滅んでいった。
玉切り作業
原木を90㎝の長さに切断する作業を玉切りと呼ぶ。
90㎝の印付け
バカ棒と言われる90㎝の竹を使って、原木にマーキング
マーキングした後、チェーンソーで切断作業
伐採した原木
玉切りした原木を投げて移動
この放り投げの作業が、一般の人に大うけ
日頃のストレスがスカッとなるらしい
道路際まで降ろされた原木を枠に入れて整理
参加者の声
多くの参加者は、まず原木椎茸と菌床椎茸の違いを理解していなかった。
このような林業体験を行うことで、林業の大変さを実感された。
主催者側としては、安全第一を考慮し、
- 1時間に1回の休憩
- 安全作業範囲の確保
- 転倒防止用のスパイク長靴の確保
- 参加者1人1人にあった負荷作業
- 単に作業だけではなく楽しさを交える
などを意識して、林業体験を行った。
多くの林業体験では、ガチな林業体験を行うことは、危険作業であり、素人には無理だと決めつけて行われていない。
また、林業体験のターゲット層が、新しくマイホームを建築する若者世代に県産材の杉やヒノキを使ってもらえる範囲に絞ってくるため、第三者への拡散が極端に悪くなる。
結果、林業に対しての理解が難しく、主宰者側が、自己満足になってしまう場合が多いように感じる。
今回取り組んだ林業体験は、原木椎茸の母料であるが、単に椎茸の母材だけではなく、落葉樹の森は、
- 動植物の生態にも良い(山菜やキノコが良く育つ)
- 落葉樹の落葉が堆積した腐葉土の山に浸透した水は、ミネラル分をたくさん含み、河川に流れ豊かな水は海の小魚や海藻の栄養分となる
- 人の入った山は、熊などの獣との聖域になりうる
など、針葉樹に比べると様々な副産物を生み出している。
こういった理由で、広葉樹の里山整備を身をもって体験してもらえる大人向けの林業体験があってもいいと思う。
しかし、林業界では、林業のプロであるが、農村観光のプロではないため、
- イベント性を兼ね備えたノウハウ
- ターゲットを絞った告知方法
- 一般参加者個人個人に見合った臨機性
など、どれも林業関係者が不得手な部分が大半をしめており、林業業界の拡散は、厳しい実態がある。
NOMACHIでは、大長谷での実績や、過去建設業界で20年以上大手建設業界の安全対策の熟知して行ってきたため、通常の林業業界とは異なったプログラム体験が可能であり、参加者に満足のいく事業を多く展開している。
そのため、これまで参加者からも高い評価を頂き、参加者の声をまとめた詳細は、こちらのblog記事からでもうかがえる
爽やかな汗と新たな発見!若者も年配者も楽しんでいる林業体験報告 /blog/19581
これから、3月までは、椎茸栽培がおこなわれます。
また、3月頃からは、菌打ち作業も始まりますので、林業や椎茸栽培に興味ある方、個別に連絡願います。