2019/01/18
本タイトルほ見て、本ブログファンはビックリされるでしょう。
普段配信していることと真逆な切り口。
今も増え続ける空き家→廃墟
富山県議会では、今年(2019年)中山間地域対策振興条例(仮称)が行われようとしているが
県民・街中に住んでいる若者世代の中には、中山間地域不要論が根強い。
確かに、中山間地域は高齢者が多く自分たちでしなければならないことも
行政がカバーしがちで、1人当たりの税金利用額が、
街中の人から優遇されているようにも感じる場合もある。
そのことが、露骨に言われた今回の人を責めるのではなく、多くの人に自分事として
考えてほしくで、本ブログに記述する。
【価値・必要性を感じない都市住民との会話】
先日、街中で行われた某セミナーに参加。
そこで、言われたセミナー主催者からの一言
Aさん「稲垣さん、何がしたいのですか?」
私「富山の魅力は中山間地域にある。
都会の人たちが中山間地域で暮らせるようなモデル地区を作りたい。」
Aさん「それが本当にしたいこと?」
私「都会での年収250万円以下の貧困層が増えている。
そんな人たちが都会で暮らすことより、田舎暮らしでも同様の暮らしが出来る
ような仕組みを作りたい。
また、中山間地域は、水路や林道整備など、協同作業をしなければ暮らしていけない」
Aさん「中山間地域必要ですか?合理的でもない場所を残す必要がありますか?」
さらに障害者施設関係者Bさんも議論に参戦
Bさん「私も実家は、ド田舎だけど、中山間地域を残す必要はないと思っている。
そこまでして、不便な田舎を残す価値はない。
中山間地域に多額な補助金や助成金が投資されていることにも疑問。
野菜や米を作るのにも時間も手間もかかるようなことを止めればよい。
大型機械を導入して、化学肥料でも農薬でも投入し、効率的・経済的な農業が
出来ないのであれば滅んでも仕方がない」
私「Bさんは、障害者施設に携わっているのであれば、ご理解出来ると思いましたが、
今、人々の食生活が変わり、農薬・化学肥料付け、遺伝子組合え等の
利益優先の食材(合理的な食材)が作られ、
それら利益優先の食材を原料に大量生産された菓子や加工食品が作られている。
安いから消費者に受け入れやすく、子供の頃から市販の食材になれた子供たちが
大人までずっと食べ続け、結果母親となった時には、
母体が毒され、アトピーの子供や障害をもったお子さんも増えているのではないですか?
平野部では、利益優先の生産が行われているが、中山間地域では、合理的ではないものの
安心で安全な農作物が作れる環境がある。
また、古来から引き継がれてきた里山の食べ物は、
健康で安全なものが多数あるが、後継者不足で食育文化も途絶えようとしている。
食を改善、食育をするためにも、中山間地域や里山が必要だと感じませんか?」
Aさん「稲垣さんのように私は、社会貢献は考えられない。
自分のことで精一杯。自分の会社が儲かればよいし、
他のことまでかまっていられない。」
私「自分のことを大事にするのは大切だが、富山の良さは中山間地域にあるし、
都会の人と田舎の人が互いに協力しあうことも大事であり、これからの世の中共存共栄なしではやっていけない。
Bさんは、障害者施設に携わっているのだから、障害者と社会がつながる必要性は、理解できないですか?」
Bさん「私たちの施設は、工場中心。特に農作業を考えていない。工場では、利用者(障害者)だけでなく、
サポートする職員の報酬もしっかりと企業から頂いている。また、活用出来る補助金・助成金はいただくけど、
他のモデルになるような面倒くさいことは、やりたくない。そんなに志は高くない。
障害者が増えている傾向に食育ばかりじゃない。
農薬や化学肥料を使って県外、海外からの食材を食べることにも抵抗はない。」
多少文章の内容は、その時と話した文末と異なりますが、趣旨はこのようでした。
彼女らの中では、地域循環に対しての理解が乏しく、
目先の利益追従が大事だという考え方。
ひろく、社会全体で共存しあって田舎の地域経済を豊かにするとは
夢物語だそうです。
山の中にひっそりと残る耕作放棄地 雪解けで草木の鬱蒼がなく、視界良好
【富山の現状・実態】
日本全国、中山間地域の必要性は述べられています。
更に富山県の場合、他県にはない魅力が中山間地域にあること
- 食材の宝庫(海と山が隣接している)
- 小さな農業が実現出来る場所がある
- 東京から2時間半のアクセスの良さ
- 寒暖差、標高差が激しく旬が県全体で可能
があり、まだまだ浸透されていません。
ほぼ無料で都会の人々を満足させるだけのイベントや、イベントを行っても集客を意識せず
身内を顧客として参加させ、満足している行政支援の事業も多く
真の意味での都市農村交流や共同作業に後れをとっています。
真の意味での都市農村交流に動き出した氷見市八代地区
若者の魅力いっぱい!地域にも喜ばれる国際NGO NICEと氷見市八代地区の連携
また、中山間地域で育った若者だけではなく、年配者の中でも街に働きにいくことで、自分たちの故郷の独特の自己のルール
「都会の常識・田舎の非常識、田舎の常識・都会の非常識」
が未だに根強く、ボス猿が君臨していることに嫌気をさし、
自らの実家が田舎(中山間地域)でありながら、中山間地域に対して排他的な意見は少なくない。
富山県内では、東京や大阪など首都圏での移住定住を積極的に進めているが、
街中に住む人々も含めた地域の意識改革をしなければ、さらに他県との地方創生の格差は大きくなる。
多様化の社会、都心部と田舎の共存、
県や市行政が着目し、県民全体で他人事から自分事に意識を変えていかなければ、
富山らしさが消滅し、荒廃した県になるということを改めて気付き・実感、学べるセミナー参加でした。
ちなみに某セミナーの内容は、セミナーではなく、単なる悩み事相談、
PC,アプリ操作のサポート支援だけでした(笑)
県内プチ起業家には、この手のセミナーが多い場合がある。
【都市と農村の共存】
「稲垣さんって何がしたいの?」
その問いに、人に合わせて解答が出来る人になるには、まだまだ未熟者、撃沈⤵
そこで改めて私がしたいこと、富山県がしなければならないことを下記のような図で示す。
まだまだ改善が必要だと思うが、
上記富山県民の他人事意識は、他県での都市と農村を共存させる情報が少ないことも起因している。
富山県で、県や市町村が行っている移住定住施策の大半は、補助金助成金申請で、
都市住民を勧誘している。
お試し田舎体験も1から3日程度のものばかりで、1年通して地域との関わりをもつような
施策・プログラム体験は、富山県内にはない。
さらに実際に居住する集落や地域の活性化協議会や自治組織の
移住定住への認識は、まだまだ成熟されていないのが実態。
図の左側で解る通り、細い三角形で参画しているのは、担当行政職員と一部の利益だけ求めるボス猿団体。
地域や一般市民まで巻き込んだ活動にはいたっていない行政が多い。
私自身の活動の主役は、一般の地域の人々。
図の右側になるが、広がりはまだまだ発展途上。
これまで40回以上述べ1500名近くの人々が関わってきた都市農村交流イベントを
行っているが、まだまだ移住定住に結びつけるまでの仕組みづくりが出来ていないと自覚している。
理由は、自分自身が、中山間地域で暮らすための稼ぎが出来ていないからだ。
田舎で暮らすには、そこで地域を巻き込んで稼ぐことが大事。
他県での地域おこし協力隊退任後、その場所で起業し一人だけ儲かるような仕組みを作っても
そのうち妨害や障害が発生し、潰されてしまう。
だから大儲けせずに小さく儲ける仕組みづくりが大事だと考える。
まだまだ発展途上、今よりさらに、地域と一緒に努力し、受け皿の裾野を広げ
より地域が自立できるような仕組みづくりに精進邁進していきたい。