2017/11/18
先駆的地域づくり現地調査とは
地域活性化センター主催の、「全国地域リーダー養成塾」(以下リーダー塾)を受講。 リーダー塾では、各ゼミ毎に、全国各地の地域づくりの先駆地を訪問し、地域づくりのキーパーソンなどを通じて地域づくりの問題解決策学ぶ「先駆的地域づくり現地調査」を実施。 私が入っている法政大学図司直也教授のゼミでは、平成29年11月13日(月)から15(水)まで、岡山県と鳥取県での先駆的地域づくり現地調査を行った。 本ブログは、前回に続き2日目。3回シリーズ+α(番外編)で、掲載します。 1日目、3日目の視察先は、こちらのブログを見てね ↓ ↓ ↓先駆的地域づくり現地調査(1日目)岡山県高梁市編 /blog/15559
先駆的地域づくり現地調査(3日目)鳥取県智頭町編+番外【日本きのこセンター】編/blog/15607
2日目1ヶ所目:岡山県津山市知和地区(非特定営利法人スマイルちわ)
11月14日(火)、朝8時に昨日お世話になった高梁市宇治地区を出発本日は、岡山県津山市知和地区にある、非特定営利法人スマイルちわ
知和地区は、人口191人、74世帯(うち高齢独居24世帯)高齢化率46.6% ※2016年1月住民基本台帳よりスマイルちわ は、1つの町内会(集落)で、自治団(この地域では、町内会のことを自治団と称している)では出来ない部分をNPO化にしたものだった。
NPO法人化前から、知和地区でも高齢化・過疎化が進み、「除雪が出来ない」、「草刈りが大変」、「墓掃除が出来ない」などなどの不安や悩みを地域住民が抱いていた。 そこで、国米自治団長(区長)さんが、「地域の困りごとを行政に頼らず、自分たちで解決しよう!」という目的のもと、2011年に「知和の明日を考える会」を発足し、地域住民の困りごとに数名が取り組んだ。知和自治団長兼NPOスマイルちわ理事長 國米さん
翌年NPO法人スマイルちわを発足させ、47世帯が加入した。スマイルちわ の事業展開は、3つ
- 便利屋・・・草刈り、墓掃除、雪かきなど 時給1000円程度を支払い
- ふれあいマーケット・・・出品者が家庭菜園で1畝でも多く作ってくれるようになり多少なりとも耕作放放棄地の解消
- ワークショップ・・・田植えや稲刈り、炭焼き等の田舎体験を実施し都市農村交流を図る
NPOスマイルちわ の事務所兼集会場 かつて、ここは、米屋だったところを改修された場所
NPOスマイルちわ の事務所 助成金事業を活用して建てたとのこと
スマイルちわ が大切にしているのは、「地域住民が集える場づくり」
- 月2回のコミュニティカフェを開催(ワンコイン・100円)
- 月1回の居酒屋を開催(1人1品持ち込み・500円)
- コミュニティカフェの時に移動販売車が来訪し、買い物支援サービスを実施
コミュニティカフェや居酒屋が行われている事務所脇にあるサロン(旧倉庫)
スマイルちわ が行っている地域活性化とは
- 地域住民個々の個性・特技を掘り起こし、社会貢献に役立てること
- 大工、左官、料理上手、炭焼き、野菜作り、会計等々
知和公民館 外観
お昼の献立 前日に國米理事長が取って来てくれたマッタケご飯 国産・天然物は、やっぱり絶品!その他のおかずも地の物であり、美味しかった 個人的には、フルーツと野菜をミックスした酢の物が驚き!
スマイルちわ が目指すもの
- 地域住民の交通手段や子育て支援の問題を解決すること
- 行政から補助金や助成金を頂きながら運営を続けてきたものを、今後は頼らず独立採算で賄っていくこと
- 若い世代への継承
感想・所見
スマイルちわの國米理事長は、ニコニコ顔が素敵な紳士であった。地域活動がここまでくるのに、一編にするのではなく、1つ1つを着実にこなしながら、次のステップ・課題解決をされていると感 じでした。 新しい事業を始めるのに、周囲の反対もあるそうだが、焦らず時間をかけて、周囲を解きほぐし、地域全体で取り組んでいる。 皆さん、お酒が大好きのようで、様々なアイデアは、NPO横にある自社居酒屋で語っていることが、実現化されている・まさにノミニケーションの有言実行。 地域おこし協力隊を導入することをせず、新しい移住者も入っているとのこと。若い世代も地域活動に巻き込んでいくことが課題であるが、徐々に加わってきていると伺った。2日目2か所目:岡山県西粟倉村(西粟倉村役場)
午後は、西粟倉村役場を視察。 西粟倉村は、平成16年の住民アンケートで合併協議会を離脱し、自主自立を選んだ行政 平成20年に「百年の森林構想」着想し 平成21年に百年の森林事業事業
を開始。同年㈱西粟倉・森の学校を設立し 平成25年、内閣府の環境モデル都市に選定され、 平成26年に農林水産省のバイオマス産業都市に認定されました 役場と、森林組合、森林所有者、民間企業、ベンチャー企業、投資家が複雑に絡み合いながら百年の森林事業を展開しています 百年の森林事業は、ありとあらゆる木に関する事業が行われている。 例えば、- 個別で行われてきた林道整備を集約化して山全体に伸びる林道を付けてコスト削減
- 長期施業管理に関する契約
- レーザー高速による地形解析を利用した路網整備や森林解析
- 間伐材の利用(製材、合板、集成材、薪ボイラー燃料)
- 大型木製遊具の製造
- ウッドスタート事業の開始
- みなと森と水二酸化炭素固定認証制度を東京都港区と締結
- さまざまなエコツアーを通しての都市農村交流
- 木質バイオマス事業
西粟倉役場の内館 議会事務局、総務企画課、産業観光課、建設課の4課から構成されている
森林に力を注いでいるたけあって、資料の重りは、杉のサイコロ
2日目3か所目:岡山県西粟倉村(村楽エナジー㈱)
西粟倉村役場の視察を終えたあと、岡山県美作市の地域おこし協力隊を卒業後西粟倉村に移住し村楽エナジー㈱企業をした井筒耕平さんから講話をうける。村楽エナジー㈱ 代表 井筒耕平さん
代表の井筒さんは、平成12年頃から木質バイオマスの研究者から始まり、コンサルタント、実践者として立場を増やしていかれた。
村楽エナジーは、現在18名のスタッフが所属し、- ゲストハウス事業(西粟倉村)
- バイオマス事業(西粟倉村)
- コンサルティング事業(全国各地)
ゲストハウス あわくら温泉元湯 外観
木を使ってぬくもりがあり優しい感じの内館
バイオマス事業では、現在西粟原にある3ヶ所の温泉施設の薪ボイラー用に薪を提供している。
薪を提供するにあたって、変わっているのが、薪の容積で販売するのでなく、「熱量」を提供していること。木が湿っていたり、木の比重が軽いと燃料となる薪の量が増えて、粗利が厳しくなる苦労話もきけた。
井筒さんの経営理念は、「誰もやらないからやる」、競合しないマーケットを創造し、事業化させていることには、協力隊OBとして、素晴らしいと感じた。
夜、懇親会のメニュー
どれも美味しかったです(●^o^●)
カツオのたたき
長芋のコロッケ トロッとジューシー
井筒さんと記念撮影 後ろにゼミ長 角田さん