2020/08/30
最近、WEBの世界では嫌な事は、長く続けず、辞めてしまえばいいという風潮が多く若者の離職率が多い。また、離職されるのを恐れて、上司が部下を叱りつけることも出来ず、部下が先に帰宅するが上司が残業するような企業の話を聞くことが多くなった。
そこで、私自身の実体験で地域おこしの観点から1万時間の法則で見えてきた定住率UPの対応を記述します。
1万時間の法則とは
表題にも書いた、「1万時間の法則」とは、ある分野でスキルを磨いて一流として成功するには、1万時間もの練習・努力・学習が必要だというもの。エリクソン教授らの研究をもとに、マルコム・グラッドウェル氏が提唱したものである。
著者も2015年に氷見に移住してきて5年。
地域づくり=地域おこしの活動を1日8時間(実際には、13から15時間SNSでの情報発信を含む)として、1年間のうち260日程度従事し、5年という年月をかけると
8時間×260日×5年=10800時間
グラッドウィル氏が提唱する1万時間が過ぎました。
昨年までは、結構私自身でプレスリリースを行っていたが、1万時間に達したことにより、氷見市の里山で私が関わる地域で地域の人々が主役となって自主的な地域活動で、2020年7月から8月までの2カ月間において、新聞各社で3つも大きく取り上げられました。
中でも嬉しかったのが、8月24日の北日本新聞の三面記事。
富山県ならず、全国の山間部が掲げている問題を記事にして頂きました。
また、その問題について、行政では出来ない地域の同意で自主的に行動に移していることが大いに評価でき、モデルケースにしていきたいと考えています。
若手林業者が森林再生(8月24日)
北日本新聞の三面記事に大きく掲載されました。
今日本のどこの山でも問題になっているのが地籍調査が行われていない山間部では、公図と山林所有者が異なる場合が多々ある。
それは、しっかりと土地の売買が登記をもって行われなかったことや相続が行われなかった経緯がある。
本記事の取材は、5月頃だったのですが、3か月過ぎて、社会記事として取り上げられたことが嬉しい。
もちろん、事前に私から北日本新聞社の記者に、単に伐採するだけではなく、地域の抱えている問題も説明を行った。
記者がそれを真摯にうけとめ、しっかりとした社会問題としてあげてくれたことで、普段日の目を見えていない1次産業の実態が世間に開かれたように感じられた。
河原さんとは、3年前から椎茸の師匠六田さんを通して、椎茸の原木伐採で知ることが出来た。
河原林業と原木伐採の様子
その後も、自伐型林業の話題で彼と意気投合し、今後も様々な形で提携していきたい。
今秋には、春に行われた地伐型林業の続きを脇之谷内の山林の伐採を行い、氷見の里山全体の保全のモデルケースに繋げていきたい所存です。
夫婦滝パンフで紹介(8月15㈰)
本記事に掲載されているパンプレットの編集、さらに夫婦滝石碑整備事業の企画から運営(2018年から2020年)までを当社(NOMACHI)で行った。
夫婦滝かかわると、本当に後利益がある。
2018年に中西進先生の書で夫婦滝の石碑の話が持ち上がった時には、まだ中西進氏について世間の評価は低かったが、2019年に令和の名付け親として大ブレイク。中西進先生の元号が選ばれたのも夫婦滝のおかげ・・・(笑)
他にも、過去に金剛不動尊の夢枕に現れたとか、事業が旨くいって徳のある人材となったり、大きな賞を頂けたとか、様々なご利益があると言われている。
2016年夫婦滝整備の様子
年に数回、夫婦滝周辺の草刈りや、花壇づくりをおこなっていた。
2019年10月24日北日本新聞
消えた獅子舞DVD(7月9日)
NPO法人八代環境パロール隊は、これまでプレスリリースを行ってこなかった。
著者が、2018年から関りはじめ、プレスリリースの仕方を助言し、今では独自でメディアに持ち掛けている。
八代環境パトロール隊には、関係人口の1人でもあり心強い映像監督巻島氏がいる。
巻島氏は、自費で埼玉から氷見市八代地区まで定期的に足を運んでくれ地域の風土映像を製作している。
そんな巻島氏が自費で作った八代の動画は、youtubeで「地域の番人」として、毎回地域のコアな部分を動画として記録されており、価値のある作品にしあがっている。
いつも著者も撮影するばかりで、撮影されたことがほとんどないが、巻島氏が撮影してくれた「氷見の特産品フェアと稲垣さん夫妻」は、嬉しかった。
地域おこし協力隊活動の今昔
地域おこし協力隊は、人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図ることで、地域での生活や地域社会貢献に意欲のある都市住民のニーズに応えながら、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度である。
2009年度から総務省によって制度化され、2009年度は、31自治体89名から始まった。2019年度には全国1071の自治体で5349人の隊員が活躍している。
過去の地域おこし協力隊活動の大半は、1次産業や2次産業など地味な肉体労働や単純作業を行うのが多かった。
過去全国各地で地域おこし協力隊退任後成功されている人たちの紹介は下記blogにて
『42億円がムダな「地域おこし協力隊」(日刊ゲンダイ)』で現在協力隊員として思う事
しかし富山県においては、地域おこし協力隊と受入れ地域の間に行政職員が入って調整や軌道修正されず、結果地域や地域おこし協力隊のことを把握出来ず放置し、地域おこしが出来ずに地域から文句を言われ2度と地域おこし協力隊を入れてくれるな!と地域に叱られ、1次産業や2次産業に従事する地域おこし協力隊の活動フィールドが減少傾向にある。
参考までに、2020年現在、氷見市地域おこし協力隊では、1次2次産業に従事している協力隊は、0%。富山県内では、10%満たない。
私自身、農林水産業に従事するような協力隊を増やして欲しいと直接行政職員に申し出たこともあったが、
「農林水産業だけに従事させるような地域おこし協力隊は、魅力もないし、不必要」
という発言から、行政職員や地域おこし協力隊希望者も泥臭い1次産業や2次産業に従事するような地域活性化活動を敬遠していることを裏付ける悲しい実態がある。
本来、地域おこしとは、地域の活性化活動であり、地域の人々が主役で、地域おこし協力隊は黒子であったり、地域の人々が出来ないような隙間をサポートするものだと考えるが、
現在富山県内の地域おこし協力隊の多くの活動が
- 地域おこし協力隊が主役の派手な打ち上げ花火のような雑誌づくり
- ○○カフェの運営
- ドックランやカードゲームなど収益性のないごく一部のみの人限定の集いの場の開設
- 家庭栽培程度の園芸を行い退任後には継続性無しの趣味の園芸作業
- 地域性を無視した他で行っている華やかな若者中心のイベントの開催
- 箱物や観光名所しかPR出来ない移住定住促進(地域住民については触れない・触れられない)
これらの地域おこし協力隊活動は、その地域おこし協力隊が退任すると地域の関わりが少ないためそのまま終わっている活動が非常に目立つ。
また、上記活動を3年間やり続けたとした場合、
7.5時間×250日×3年間=5625時間
しかし、大半の地域おこし協力隊は、これだけをやり続けることはせず、成果がでなかったらすぐに別のものにとりつくため、結果地域おこし協力隊の活動自身が1万時間満たない。
故に地域おこし=地域活性化は、わずか3年で出来るものではないし、地域おこし協力隊と行政のみで行うものでもない。
地域おこし協力隊に夢見る人には、地域おこし協力隊に着任する以前から都市農村交流や関係人口に携わることをお勧めする。
地域おこし協力隊の定住率が高い地域では、採用する行政側が協力隊希望者のスキル(下積みや協力隊以前の習得時間)を意識して採用する場合が多い。しかし、現在地域おこし協力隊は売り手市場で、受け入れ側行政が経験値が低い人材でも採用する場合が多くある。
経験値が低くても、しっかりとした教育や研修を行うことで地域に必要な人材育成を3年かけて育てる可能性もあるが、私の知る限り、行政職員にはそれだけ余裕な時間も経験もなく、採用当時のスキル・経験値のまま何も発展進化せず3年間活動をさせる場合が多く、結果3年経過したのち、定住することなく他所に移る場合が目立つ。
他県では、多忙な行政に代わって地域おこし協力隊OBや第三セクターを立ち上げ、地域おこし協力隊の研修やサポートを行っている仕組みがある都道府県もあるが、北陸には、このような土壌は育っていないのが残念である。
定住率を高めるために
著者自身は、氷見市地域おこし協力隊になる2003年から2015年まで社会人を行いながら富山県富山市大長谷地区で2地域居住というライフスタイルで地域活性化活動してきた。(著者プロフィール)
大長谷地区では、2005年頃から毎週のように通う2地域居住の生活を行っていた。
土日で大長谷の活動時間15時間程度
1年間に通った平均回数 60回
結果、18時間×60回×10年=10800時間
地域居住で同じような大長谷と関わりを持つ交流人口や関係人口づくりを10年間・1万時間通い続けて、2014年に北陸初の内閣府農林水産省の「ディスカバー農山漁村の宝」に大長谷地区認定に導いた実績と経験がある。
大長谷でも地道だがしっかりした都市農村交流活動で今では大長谷地区においては、関係人口の増加以外にも移住者が出るまでになってい大長谷地区を活性化させている。
さらに地域の人々と同じような目線での地域活動の他、著者の強みとして、
「新しい情報発信の仕組み」
と
「都市住民の視点」
の2つを地域にもっていることは、強みである。
こういった、地域独自の強みと地域おこし協力隊自身のスキルを合わさった活動をすることで、もう一歩進んだ地域活性化に繋がる。
よって冒頭にも書いた、1万時間の法則のように、著者の場合は、「地域の人々と同じ目線での1次産業に携わること」に付随して、2つの「新しい情報発信の仕組み」と「都市住民の視点」に磨きをかけてきた。
著者が地域の人々と同じような生活スタイルのする意味には、本当の意味で地域を知ることに繋がり、そこから問題や課題が見えてくることの実体験が生きているからであり、地味だが上記のように協力隊退任後も地域の力となりうる。
現役地域おこし協力隊には、地味な作業を辛いとか、自分には不向きと考えず、地域おこし協力隊という3年間の長い期間で年間450万円という税金を活用し地域にいろいろな形で接することが出来る貴重な体験の場である。
ですから、失敗しても給与はもらえるのだから、行政職員や地域住民と衝突があっても、良い方向に向かっていく信念と自分自身が腰かけではなく、定住する意志があれば相手も変わる。
しかし、定住の意思もなく、何か嫌なことがあったらすぐ辞めてしまえばいいと考えていると受け皿である地域からの協力も得られないし、そんな軽い考え方は見透かされているので注意して欲しい。
これからの世の中、1次生産者が高齢化により激減し、安心して食べるものがなくなる時代がくる。
新たに移住定住を志す都市住民のために地域おこし協力隊として3年間、その関わる地域の中にどっぷり入り、地域住民の既存の常識が都会の非常識を変えて住みやすい田舎づくりのパイオニアになって欲しい。
田舎の常識・世間の非常識の壁を壊して地域や地域おこし協力隊自身が生活が豊かになるような仕組みづくりを担うような活動を強い信念で続けることで周囲から助けてくれる人も現れるし、意識して欲しい。
以上、こういった地道な活動が、周囲を動かし、移住者自身の定住が高まる鍵となる。
長文を読んでいただきありがとうございました。
テレビ出演KNB放送 ワンエフ
2020年9月4日金曜日 19時から始まる富山のローカル情報番組 KNB放送 ワンエフ で富山県内の地域おこし協力隊特集がされます。番組の中でコメンテーターとして登場。ワンエフは、生放送の為、毒舌をはかないかドキドキ
お時間ある方は、是非見てください