2019/08/30
はじめに
本blogは、知られていない地方都市が、知られるようにするために地方都市の特徴を最大限生かしながら、地域づくりについて述べる。
まずは、氷見市がいかに知られていないのかを、都市部のアンケートをもとに、説明。地方都市の従来通りの観光スタイルから新たな観光スタイルの作り方、行政主導の各種イベントとNOMACHI流の都市農村交流イベントの比較を行った。
都市部農村観光アンケート結果
2018年に関東(神奈川県川崎市)と関西(大阪府枚方市)で氷見市の農村観光アンケートを実施した。
開催時期・場所・アンケート回答者数は、
場所 | 実施時期 | 回答者数 | 備考 |
神奈川県川崎市 セレサモス川崎 イベント会場 |
2018年 4月20日 から22日 |
172名 | |
大阪府枚方市 コマツ大阪イベント会場 |
2018年 11月11日 |
65名 |
本アンケートで、氷見の知名度、氷見の民宿の認知度、農村観光の興味等を尋ねた。
2018年4月20・21日 セレサモス川崎麻生店にて
2018年11月11日 コマツ大阪 にて
1.氷見市・川崎市の有効提携について
氷見市は、京浜工業地帯の埋め立てに尽力した淺野総一郎の誕生地とあって、年に何回も川崎市と友好提携の事業やイベントが行われていることが市広報や新聞紙面で周知されている。
しかし、有効提携都市である川崎市民には、氷見市と川崎市が友好提携を結んでいることを尋ねてみると、81%の人々は、氷見市と川崎市が友好提携を結んでいる実態を知らない幽霊のようであることが判った。
氷見市では、重鎮の人々だけで盛り上がるようなことをせず、さらに市民レベルにまで広げた有効提携活動を氷見市や川崎市に期待したい。
ちなみに南砺市においては、武蔵野市と友好提携を行って、1972年より毎年武蔵野市の児童が利賀村にいち早く訪れている。
氷見市においては、ようやく2019年に川崎市の児童が、わずか8名訪れる宿泊体験事業が作られた。(南砺市(旧利賀村)に比べて37年遅れ((+_+)))
ただ、氷見市が2019年に始めた川崎市児童の宿泊体験事業は、南砺市と違って行政主導型・地域住民参加しにくい型であり、補助金事業が終われば、本事業が独立採算で行われるのか不安が残る。
2.氷見市及び氷見の民宿の認知度
有効提携が知られていなくても、氷見市という都市は、知っているだろうと高を括っているのも問題!
川崎や大阪で実際に氷見市という都市を知っているのかと尋ねたところ、知っていると回答した川崎で67%、大阪で61%で、知らないと回答したのは、川崎21%、大阪25%もあった。
セレサモス川崎で氷見市についての認知度
コマツ大阪にて、氷見市の認知度
氷見が押している美味しいブリが食べられる民宿があることについては、川崎で75%、大阪で59%が知らないという結果になった。
氷見の民宿が素晴らしいことを、関東も関西の人も半数以上の人が知らないということは、氷見市の宣伝観光にまだまだ伸びしろがあるということにもつながるが、逆をいうと、今のやり方だと、新規開拓には限界があるのがよくわかる。
セレサモス川崎にて、氷見民宿の認知度
コマツ大阪にて、氷見民宿の認知度
実際に、私自身が、城山、美岬、いけもりの外観や食事の画像を見せたところ、皆さん、本当に驚いていた。
美岬の夕食
]
美岬の温泉
新鮮な魚と温泉が楽しめるお勧めなお宿/美岬
/blog/15367
3.田舎暮らしについて
前回のblog
関係人口の必要性・氷見市の人口7万人が2.1万人
/blog/18475
にも記載したが、
2016年総務省が行った「『田園回帰』に関する調査研究」においても、農山漁村に住みたいと回答した都市住民は、30.6%となっている。
同じように川崎と大阪で行ったアンケート結果からも、田舎暮らしを考えたことがある+将来希望と回答したのは、川崎で31%、大阪で54%となった。
セレサモス川崎にて、田舎暮らしの意識度
コマツ大阪にて、田舎暮らしの意識度
農山漁村に移住したい理由として、ハットリくんなどの観光名所でもないし、ハンドボールに特化したものでもない。
「気候や自然環境に恵まれたところで暮らしたいと思ったから」(47.4%)、
「それまでの働き方や暮らし方を変えたかったから」(30.3%)、
「都会の喧騒を離れて静かなところで暮らしたかったから」(27.4%)
が上位を占めてわかるように、氷見では、自然環境の恵まれた場所であるにも関わらず、この魅力を伝えきれていないし、都会の人々に知ってもらい体感させるための仕組み作りがなされていない。
ゆえに、NOMACHIでは、氷見の里山の各種団体のサポートをしながら、氷見市の里山づくりから始まる関係人口づくりを行っています。
4.その他アンケート内容について
今回は、川崎市と大阪府で行ったアンケート結果の抜粋から引用しています。
アンケートでは、その他にも、年齢や性別、農漁村観光について、氷見への訪問、興味がある観光、興味があるイベント、氷見の特産品認知度などについても尋ねました。
氷見市の知名度UP、NOMACHIの取り組み
NOMACHIでは、氷見市や氷見市移住応戦センター(IJU)が行っていない地域住民参加型田舎暮らし体験事業を速川地区、八代地区、稲積地区、大野地区、脇之谷内地区などで取り組んでいます。
また、それら地域住民参加型田舎暮らし体験事業の観光PR動画を2018年に作成しました。
氷見里山活性化動画 来られよ氷見!(再生回数16,238回)
地域おこし協力隊着任当時の2015年から 氷見市速川地区で初めて、その後各地域・団体からの信頼信用を得て49企画(地域住民1018名、都市住民773名 延べ1791名)の体験イベント等を行い交流人口促進に関わってってきました。
2019年4月からは、体験イベントから一歩先に進んだ個人プランで17企画(地域住民99名、都市住民34名、延べ133名)での農村体験を行い関係人口づくりを行っています。
これまで、氷見市に限らず行政主導型で行われ来た都市農村交流事業は、既存の地域資源を地域目線に特化し(参加者が見たいことがずれた表現)、参加する都市住民目線行わず(ガイドしながらタバコを吸ったり、参加者が聞けない状態でも一方的に解説等)、情報発信も市広報に出す、または全く発信せず、結果身内に召集をかけ頭数を揃えることが行われてきたのが多くありました。
ですから、これまでの行政主導型体験事業とは異なった交流人口、関係人口づくりは、一朝一夕で出来るものではありませんでした。まずは、受け入れる地域づくり、既存の地域資源を最大限発揮できるような地域の人々との関係づくりを半年間目いっぱい行い、その地域資源を時代や都市住民にあった形に修正する手法を丁寧にレクチャー、計画書を作成し、タイムスケジュール、人員配置をこれまでの阿吽の呼吸から明確化し、そして、最後に来て欲しい都市住民に届く情報発信(マスメディアが協力してくれるプレスリリースの作成、対象となる都市住民への地道な広報活動)を作り上げてきました。
これまでの行政主導型 | 地域自立型(NOMACHI) | |
参加費 | 1000円以下、無料 |
4000円前後 |
イベント内容 | 行政が作成するため、地域資源の深みがない | イベント前にじっくり入り込むため、見えていない地域資源を掘り起こし |
企画運営 |
口頭指示、阿吽の呼吸 |
事業計画書、企画書、報告書、アンケート作成 |
情報発信 | 市広報、 SNSでの情報発信出来ない 過去リピーターへのDMされない |
マスメディアプレスリリースあり |
PDCA 業務効率化 |
予算づくりで終わり、 報告結果を重要視しない |
PDCAを回し、さらに効率化を図る |
集客 | 意識しない 会場が埋まらない場合は、職員がサクラ |
集客意識あり 集まらない場合は、個別に連絡 |
関係人口 | 意識無し |
意識あり |
補助事業終了後 | 継続性無し | 継続性ありを意識 |
NOMACHI企画 脇之谷内キムチ教室(交流人口促進)
NOMACHI仲介 関係人口 稲積梅 摘み取り手伝い
魚介も野菜もお米も好きな都会住民の方々が、参加加入しやすい都市農村交流事業や地域環境づくり、新たな観光づくりを現在も行っており、行政が伝えられない地域の特色、地域情報を少人数規模でお伝え出来ます。
詳しくお尋ねなさりたい方は、ご連絡ください。