2019/12/11
住民の生活支援/柿の木の剪定
今月も、単発の仕事が何件か舞い込んでくる。
本日は、柿の木の剪定
朝、梅の苗木の定植作業を行っていたら、都市農村交流イベントの郷土料理で協力してくれているAさんから電話連絡
A 「稲垣さん、柿の木の剪定出来る?」
私 「梅は、何本もしたことあるし、自宅の柿の木はあるけど、素人に毛が生えた程度ですよ」
A 「ご近所の T おばあちゃんが困っているの。剪定に来て欲しい」
そういわれて、早速午後から訪問
依頼してきたTばあちゃんは、90歳近いご夫婦、娘さんが1人高岡に住んでいるとのことですが、剪定作業は、娘さんでは難しい
まして、地域のおっちゃんたちも70歳を過ぎると並行感覚が弱くなって、剪定作業は、慣れていないとケガの元
シルバー人材センター依頼した場合、庭木の剪定作業(2m以下)は行えるが、高所作業(2m以上)は、難しいだろう
まして、1人作業は原則行わさせないので2人から3人体制となると単価が跳ね上がり1万円以上になる
で現地に到着し、まず、スマホで剪定前の柿の木をパシリ
で、撮影した画像を依頼主のTじいちゃんに見せて、
私 「どの位置から木を切る?」
と尋ねて
スマホの画像で、じいちゃんが指で指示(これ便利)
じいちゃんが、指で示した切断場所
脚立に上って、チェーンソーで柿の木を切断
その前に、ある程度、柿の実も摘み取り
チェーンソーで太い柿の幹を伐採したあとは、
上の枝と下の枝が重なり合わないように枝の剪定
寒かったけど、爺ちゃんも婆ちゃんも立ち合いし、
小枝等は、一緒になって集めてくれた
剪定した木を収集するじいちゃん、ばあちゃん
ばあちゃん曰く、
T 「娘と柿を摘み取るけど、背丈が大きくて上まで届かない
剪定してもらって助かったよ」
そういって、わずか1時間たらずの仕事で1万円を手渡そうとしてくれた
私 「ばあちゃん、Aさんの紹介だから、気持ちだけでよいよ 」
と言って、半額頂いた
綺麗になった柿の木をバックに 依頼主のじいちゃん、ばあちゃん
富山県の地域おこし協力隊と生活支援
氷見市地域おこし協力隊15名、富山県内地域おこし協力隊50名の中で、
移住定住支援(まだ1年もみたない協力隊員が地域の良さも悪さも判らずPR活動)
起業型(ほぼほぼ協力隊個人の起業の準備で地域との関わりが希薄のパターンが多い)
イベント応援(受け入れ行政のただ働きの駒、地域密着よりも行政職員がメインで地域住民不在のイベント)
は、うじゃうじゃいるが、住民の生活支援に従事した地域おこし協力隊は、これまで3名ほどしかいない
協力隊退任後も生活支援を行いながら、かつ情報発信をしているのは、残念ながら私のみ?
移住定住支援 | 起業準備型 | イベントお祭り型 | |
内容 | 三大都市圏に出かけ、田舎移住のPR活動 | 3年後を見据えて、地域に定住するための起業準備 | 市主催の交流イベントや隊員主催のイベント |
実態 |
受け入れ市町村の長所短所も判らないものが、薄っぺらい知識のまま、移住を斡旋。 短所を知らない新参者がPRする、地域おこし協力隊は、行政職員ではないため、仮にPRで移住した人から「こんな地域は説明と違う!」と思っても、行政が言ったことではないので、行政の責任じゃなく押し通せる |
退任後も定住ケース 立山町の陶芸家 退任後移動、もしくは任期途中で退任のケース ・需要がないのに行うドッグランや土地に山野草が少ないのに漢方推奨?中途半端で頓挫 ・地元住民と仲良く親交を取らずして地域課題が見えないまま行われる婚活 ・地域や生産者を知らずに特産品ブランド化と称し、物だけを販売し、事消費をさせない
|
メイドカフェ?などの○○カフェ 無料もしくは、低価格での体験イベント 低価格が悪いとは言わないが、今が楽しければそれでいいというスタイルで、事業計画書の作成もされず中長期的なビジョン無しのいきあたりばったり。 行政職員自身が、儲けることが不得意なので事業計画書を作成すること添削することに慣れていない。地方の商工や観光等の団体も新規事業への実績がないため対応が後手後手 |
全国 |
全国の先駆的な地方団体では、移住定住の斡旋で失敗を踏まえて、移住の準備段階ともいえる地域に何度も足を運ぶ関係人口づくりに着目。 富山県内では、関係人口づくりに積極的なのは、富山市の大長谷集落 利賀村の百姓塾、 私の関係しているひみ里山くらぶ 等 |
既存する地域資源を活用 岡山県西粟倉村の間伐材を使った木材サービス |
都会から地域の活性化のために志し、協力隊募集時にもSNSでの情報発信が出来る人という条件で応募して採用されたはずなのに、1次産業や2次産業に従事するものや生活支援を行う地域おこし協力隊を育てようとしない行政の方針やそれに文句を言わない市民県民の目となっている議員さんも議会で文句も言わず、非常に残念
地域の困りごとの1つとして高齢化社会、過疎集落による中山間地域で、80歳以上の老人による一人作業で何名もの人々が命を落としているのに、誰も知らぬ存ぜぬで問題として提起されていない。
地域おこし協力隊採用時に、地味だけど、泥臭い一次産業に従事したいという若者を是非積極的に取り入れ、地域に根付いた活動が出来るような制度に切り替えていって欲しいと切実に願う
一方、他県においては、過疎の生活支援を行う人に、3年間任期付きに地域おこし協力隊(年収200万円程度)ではなく、年間350万円支給可能な集落支援員という制度があるが、富山県内でこの制度を活用している地方自治体は、ゼロで他県よりも劣っている。
総務省 > 政策 > 地方行財政 > 地域力の創造・地方の再生 > 集落支援員
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/bunken_kaikaku/02gyosei08_03000070.html
地域コミュニケーション無くして金脈無し
今回も柿の木の剪定作業という単純な労働作業として片付けるのは、もったいない
高齢者からの報酬を少なくしても、田舎のじいちゃんばあちゃんは、義理堅い
経験上良い仕事をすれば、そのことをご近所さんにもお話しをしてまた良い仕事を紹介してくれる
草刈りやコミュニティバスの運転手を単にしているだけでは、地域資源は見えてきません。
その作業をしながら、そこに関わった人たちと会話をし、さらに掘り下げて地域資源を引き出す能力が必要ですが、そんなに簡単に地域の人から地域資源を聞き出すことは、容易いことではありません。
地域の人々が、
「これはうちの資源だ!」
と自慢したがるものは、あまり資源として高い評価に化けることはなく、
むしろ、
「こんなものは、資源でもない、当たり前で どこにでもある」
なんてものが、実際には、地域資源になって都会の人々に喜ばれたりします
ここの感性を磨き、地域の人々から話題を引き出すには、高い草刈りやチェーンソー技術を地域の人々から教わりながら学び、その引き換えに移住者である私たちに備わってきます
ですから、こういう風に考えれるところまで、どっぷりと地域に根付かず、草刈り作業を単なる同労作業としか見る事が出来ず、入り口で地域とのコミュニケーションを遮断してしまっているのが、今の富山県内の地域おこし協力隊の実態でもあり、行政や地域おこし協力隊本人にも責任はあります。
私自身が、氷見市地域おこし協力隊として、赴任地が速川だけだったのに、他地域のリーダーの方々に声をかけてもらっているのは、私自らの宣伝ではなく、周囲にいる地域の人々の紹介や評判から橋渡しをしていただいているのであり、他の氷見市地域おこし協力隊との活動とは異なるものです。
今回も作業終了後に、Aさんと2時間ばかり会話
その中から、Aさんたちの所属する団体の課題が見えてきて、私自身が得意とするコンサルティング業で力になれることが見えてきました。次年度以降の地域活性化につなげていきます。
地域おこし協力隊とは
総務省 地域おこし協力隊推進要綱には、
地域おこし協力隊員は、おおむね1年以上3年以下の期間、地方自治体の委嘱を受け、地域で生活し、
農林漁業の応援、
水源保全・監視活動、
住民の生活支援
などの各種の地域協力活動に従事する者をいう。
と記述があります