田園回帰”時代の農村再生_図司直也法政大学教授他50名、氷見の里山で初の研究会を開催

     

2019年3月6日(水)著者が所属する脇之谷内里山づくり実行委員会では、

図司直也法政大学教授を招待し、「農村再生と関係人口」のための研究会を開催した。

富山県の地域活性化で一番足りない根っこの部分、人と人との交流することで、点の活動が線になって、それが発展して面から立体に縦割り行政だけに依存しすぎては、立体にはなりづらい。

だから、各地域で地域づくりの活動している人々やこれから、地域づくりのお手伝いを行う地域おこし協力隊に参加してもらった。

氷見においては、特にこれまで連携をとってきた、

八代地区、宇波地区、上庄地区、速川地区、稲積地区、粟原地区、大野地区から参加してくださった。

これら、地域が連携をして独自で作った農村動画「来られよ氷見!」は、下記動画。是非1度といわず、再生回数アップのため見て貢献して欲しいです。ただいま、再生回数14,067回。昨年10月25日に動画公開してから、まだまだ伸びています。

 

 

講師と著者・氷見市の関係

講師プロフィール

昭和50年生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。農学博士。

㈶日本農業研究所研究員、法政大学現代福祉学部専任講師、准教授を得て、平成28年より教授。専門分野は農山村政策論、地域資源管理論。

著者に、『地域サポート人材による農山村再生』(平成26年,筑波書房)、『田園回帰の過去・現在・未来』(平成28年,共著,農山漁村文化協会)、他

地域振興・人材育成に関するアドバイザー等を歴任

講師;図司直也 法政大学教授

 

 

講師との関係

図司直也法政大学教授(以下図司先生)を招待出来たのは、

図司先生のルーツが、氷見市に縁があるということ。

 著者が、2017年から2018年にかけて、一財)地域活性化センター 主催の 全国地域リーダー養成塾を受講し、

養成塾講師でもある図司先生のゼミで学んだことがある。

これら2つの要素があったため、直接図司先生に地域の実情、今回の趣旨等をお伝えし、研究会講師を引き受けていただけた。

/blog/category/21_全国地域リーダー養成塾

 

 

研究会の構成

今回の研究会は、3部構成で行われた。

1部は、14時から17時まで、脇之谷内地区を図司先生と回って、現地点検。

図司先生と、県内の地域づくりの団体関係やや地域おこし協力隊が同行した。

17時から18時30分までは、現地点検を回った外部の人たちに、脇之谷内地区で作られた蕎麦をふるまった。また、実際に蕎麦打ち体験も行った。

19時から21時までは、研究会。

はじめ1時間は、図司先生の講義で始まり残り50分は、ワークグループと発表を行った。

21時30分からは、脇之谷内にある農家レストラン ふる郷膳新で、懇親会。

盛りだくさんの内容で、参加者が初めての人々も多数いたが、皆満足のいく研究会が出来たと思っている。

 

 

第1部 現地点検

現地点検は、図司先生が14時から19時までは、脇之谷内地区野菜や椎茸栽培づくりの現場や地域のおばあちゃんたち暮らしぶりやおもてなしを受けた。

また図司先生だけでなく、せっかくの脇之谷内PRが出来る場だったので、富山県内の地域おこし協力隊や協力隊OB、地域づくりにたずさわっている社会人ら10名が随行した。

脇之谷内の詳細については、YOUTUBEで2016年「恋ダンス踊ってみた」で紹介。

当時の動画は、3万PVアクセスがあったが、音源を星野源さんのを直接使用していたため、非表示となった。

現在音源を取り直して再アップしている。

 

恋ダンス 踊ってみた 脇之谷内里山づくり実行委員会<318>

 

現地点検その1・脇之谷内の歴史・文化風土の説明

現地点検のはじめとして、14時から14時30分まで脇之谷内集落センター(脇之谷内公民館)にて澤田崇 脇之谷内里山づくり実行委員会・会長が、

脇之谷内の地名の由来、古代仏教と三千防山、時代背景での人々の往来などの歴史や他地域との交流、日常の営みなどの文化風土を説明した。

澤田会長のお話は、45歳のころに、この地区の区長となって、様々な歴史書や当時ご健在だった年配者からのお話を聞いたこと。

20年たった今でも昔の杵柄には衰えがない。

 

脇之谷内集落センターでの説明

 

現地点検その2・仏生寺椎茸栽培見学

現地点検として、14時30分から15時40分まで仏生寺椎茸の生産者である六田氏の椎茸農園へ行き、原木椎茸栽培を視察。

同行した人々の中には、原木椎茸と菌床椎茸の違いさえ分からない人が多かった。

時代の流れで、原木栽培と菌床栽培の違いも判らないくらいに消費者の生産工程離れが当たり前のようになっている。

本日は、ちょっとシャイだった六田師匠。

普段私との会話の中では、専業農家でもあり林業家でもある六田さんの人生経験での話は、すごく役にたつし、重みがある。

 

著者の師匠でもある仏生寺椎茸の六田さん

 

仏生寺椎茸栽培園を見学

 

現地点検その3・婆ちゃん農園とおやつ

現地点検その3として15時40分から16時まで83歳でも、まだ高岡市にまで仕事に出かけ、田んぼも畑もバリバリこなす たき子さんの畑を案内。

5畝程度の畑で、四季おりおり作られている畑を見てそこで地域の婆ちゃんたちのおもてなしをうけた。

手づくりおはぎと温かいお茶、まだまだ肌寒い早春には、素敵なおもてなし。

こんなことが、出来る婆ちゃん達は、本当に地域の財産・地域遺産でもある。

たき子婆ちゃんの畑

常に丁寧に野菜が作られている

 

おはぎ

写真撮ろうとおもったら、すでに皆さん食べていた

 

 

庭先で、おやつタイム

 

図司先生、地域の婆ちゃん、参加者で記念撮影

 

現地点検その4・米づくり 営農組合脇之谷内

現地点検その4として16時から17時まで営農組合脇之谷内の事務局長をされている公道さんの説明を受ける。

昨年、イノシシ被害が酷かったため、新たに電気柵を追加導入すること地域の圃場での苦労などを話されていた。

その後、実際に田んぼに行って、イノシシ被害や中山間地域でのコメ作りの苦労を語られた。

元ヤマハ発動機特約店のメカニックでもある公道さん

大抵の器具は、ばらして点検修理を行ってしまうスーパーマン

営農組合の作業場で、地域の農業について説明

 

山の田んぼを見学

 

現地点検その5・そば打ち体験 郷土料理研究

17時から18時30分まで、

時期脇之谷内のリーダーともなりうる稔さんの納屋で、そば打ち体験と、先ほどのおやつ接待をした婆ちゃんたちが作った地域の郷土料理が振る舞われた。

脇之谷内産の蕎麦は、大型機械が入れず、すべて手作業。

生産量は多くはないが、味が濃くて、おいしい

 

そば打ち体験 そば粉と小麦粉を混ぜ合わせ作業

 

納屋で、そばづくり

 

地域のおばあちゃんたちが作った料理 箸休め

 

第2部「農村再生と関係人口」のための研究会

夜第1部 図司教授の講演

図司直也法政大学教授が、日中脇之谷内での現場点検をしたことを踏まえて「田園回帰”時代の農村再生」と題して、1時間程度講和をしてくださった。

 

地域とは、

 

地域づくりは、誰のためにやるのか

 

人・土地・村 誇り の空洞化 にどのような手を打つのか

 

初めに配布した資料のほか、全国各地で実施されている農村再生の現状、地域住民の意識の変え方など、本当に丁寧にお話をしてくださったので、

当初配布した資料の説明は、半分以下であった。

ただ、次も来てもよいとのお話をいただけたので、次回にも残り半分を説明していただけるよう、つないでいきたい。

会場の様子

県内でも農村再生に絡めた講演会を様々な形で行っているが、行政主体だと地域の長 ばかりが目立ち若者主体だと、若者だけで固められ、年配者が入りづらくなっている。

今回の研究会は、地域の長も若者も女性も参加しており、他には類を得ない熱いものになっている。

その結果、富山新聞社でも大きく記事を取り上げていただいた。

3月8日(金)富山新聞朝刊

この記者さんの書き方は、本当に丁寧に情報を広い集めていてかつ、主催者の意図の裏側までくみ取ってくださっているので、本当にありがたい。

このような記者は、富山県内でも本当に少ない。

 

夜第2部 ワークショップ

当初、予定では30分ほどのワークショップで計画していたが、すべてのテーブルで、自分たちの活動、この講演会で気付いたこと、地域に持ち帰って取り組むべきことなど、熱い議論がなされていた。

会議参加者も私自身は8割以上知っている人たちばかりだったので、即興で、席次を誘導し、ワークショップでのリーダー役もある程度絞っていた。

参加者自信は、お互いのことを知らず、または知っていても久しぶりのご対面だったので、共通認識を持ちながら普段とは違う世代や環境で会話・進行が出来た。

1つの団体から複数人参加していても席きめのときに バラバラにしたので、新鮮で活発な意見が広がった。

各テーブルは、おっさんだけにせず、花のある女性を入れることで、会話が少し柔らかくなることも狙っていた。

 

ワークショップに慣れている人を各テーブルに入れることで、模造紙の使い方も十人十色。

意見や進行も全く異なったものにもなる。

地域で働いている若い人々は、まだこのワークショップでの会議の進め方を知らない人が多い。

なぜなら、富山県内では、まだまだ村長などの長が、一方的に話をして、参加者の意見を聞かないトップダウンの話し合いが根強く残っている。

 

参加者と所属団体 感想

今回の研究会は、脇之谷内の若者に限らず市内・県内の若者たちに、現在全国で行われている地域づくりや氷見市に限らず、富山県内で地域づくりでの実態や人事交流・自らの気付きになって欲しくて企画した。

当初予定人数30名だったところ、50名程が参加。

年配者も若者も一つになって、意見交換 

 

予算がたくさんあって、広告宣伝費を費やせる行政関係の勉強会においても通常20~30名程度の場合が多々ある。

しかも3割から5割が行政職員だったりする場合もある。

そんな中で、私が企画した今回の研究会では、行政職員2名、あと残り48名近くは、全員が民間人であった。

行政が主催で講演会を行う場合、事業予算があるので、カラーコピーをふんだんに使い、自らの広報誌や公共の掲示物関係に掲載出来る恵まれた条件が整っている。

しかし、残念なことに正直、県や市のセミナーにおいて、全国各地で公演をされている超有名人、実践者でも20人程度の参加者しか集まらず、それでいて、過半数は行政職員となっているケースも少なくない。

原因は、行政が弱い費用対効果や利益追求。他県の行政マンの中には、すごい営業マンもいる。けど富山県内では、そんな行政であっても、バリバリの営業マンが本当に少ないのは、残念であり、今以上に意識改革と地域に根付いた行政支援を期待したい。

 

研究会が終わって、若者たちから感想を聞いたが

 

「今まで地域づくりに関して、実感がなかったけど、改めて考えさせられた」

「今回参加して、多くの人たちと交流が出来、勉強になった」

「自分たちの地域に戻って、今日学んだことを活かしていきたい」

などがあった。

 

また、WEBでのお礼でも、

「稲垣さん、昨日は、脇之谷内集落の地域資源を磨き上げて地域産品に取り組んみ、超高齢者を生き生きと誇りを持っておられる姿に感動を覚えました。
また、山間地における地場産業などデープな箇所を見学させて頂き、素晴らしく貴重な体験となりました。

この様な農村再生に向けた地味な活動されている、里山づくり実行委員会の皆さま始め、稲垣さんの信念と情熱を込めたリーダーシップに
深い敬意と共にお礼を申し上げます。
そして、氷見市の速川活性化協議会の皆さんとの再会や八代地区の先進的な活動されている人々と出会いの機会を設けてくださり、重ねてお礼を申し上げます。
これを機に、氷見市に訪れ、更に皆さんと交流を深めたいと思います。」

 

「稲垣さん
昨日は一日お疲れ様でした。
そして、盛りだくさんな内容、ありがとうございました。
地域に根ざして地元の方々をうまく巻き込んで活動されているお姿、頼もしく思います。
お疲れが出ませんようご自愛くださいね」

 

「稲垣さん、昨日は貴重な研修の機会を頂きまして、誠にありがとうございました。

講演会も大変勉強になりましたし、脇之谷内集落点検も集落の皆さんの取り組みやおばあちゃん方から元気と勇気をもらえました。

また機会がございましたら、是非、お誘いいただきたいです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

など、複数の方から温かいお礼の言葉をいただいた。

学ぶことの大事さ、あと多くの人々の貴重な時間を割いてきているところで、

充実感のある学びをすることは、どんな企画であろうとも同じだと思います。

 

第3部 懇親会

当初予定より30分ほど遅れ、21時20分ころからはじまった懇親会会場となったのは、脇之谷内の完全予約制農家レストランふる里膳新

簡単なオードブルでお願いしたはずなのに、豪華な料理で、おもてなしをくださったオーナーに感謝。

さらに、時間も遅くまで許してくださり、本当にも申し訳ありませんでした。この場をかりて謝罪と感謝。

もちろん、懇親会に参加された方々は、この手作り感満載の田舎創作料理に大満足。

お通し、刺身、押し寿司、どれも本当においしかった。

今回は、特別に自宅の応接間でおもてなし

器も素晴らしい お通し

オードブル料理 押し寿司、サラダ、揚げ物、煮しめ

 

ふる里膳新の動画は、こちら <976>

 

 

まとめ

今回の研究会において、参加者の皆さんから、私に対しての敬意ある言葉を多数いただけた。

それは、それで本当にありがたいことであるが、実際にすごいのは、地域の人々。

私自身が、他に負けないくらい積み重ねてきたのは、小予算での費用対効果を狙った、情報発信力。

届かない人に発信しつづけるお金をもった行政、うんちくばかりで、PC操作だけしかせず、マンパワー、非経済的な足で稼ぐことをしないWEB製作者とは違って、採算性も効率性も悪いけど届いてほしい人に届かせること、共感をいだかせることの情報発信なら10年以上続けた経験値と実績では自信をもって発信できる。

 

地域の人々が頑張っているからこそ、私も地域の人々を輝かして情報を拡散したいし、これからも中山間地域を盛り上げていきたい。

また、地域づくりに共感している人々と繋がって富山県や日本の中山間地域を楽しく豊かな場所に変えていく1人になりたい。

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