氷見速川産サツマイモ・拘りの栽培方法・美味しい理由

     

氷見市の里山でのサツマイモづくりは、古くから行われてきた。

氷見市の里山は、山間の谷間の圃場面積が小さく、平地部は田んぼが中心であった。

また、平地に出来ない斜面でサツマイモが作られ、子供たちの大事なおやつになっていた。

粘土質の圃場のため、見栄え・形の良いサツマイモは出来ないが、

ごつごつとしたサツマイモは、地域で昔ながらに作られてきた。

そんなサツマイモづくりを2016年より、当時の速川地区活性化協議会が、耕作放棄地解消と

地域の産業振興のために、始めた。翌年には、NPO速川活性化協議会として事業を拡大し、

さらに、芋焼酎づくりを手掛けている。

 

【速川のサツマイモの特徴】

圃場は、粘土質

サツマイモは江戸時代飢饉を救ったように痩せた砂地でも育つ野菜

速川のサツマイモは、豊かな粘土質の山間の休耕田で作られています。

 

春先の畑を始める前に

センチュウというサツマイモを食い散らす害虫駆除のために

1度だけ農薬散布を最低限の使用量行います。

また、畑は、サツマイモだけに特化し栽培するため、

畑の中の栄養分が失われないよう連作障害防止のために、元肥を入れます。

 

 

栽培中は、電気柵やマルチシートなどの対策を取り、

農薬や肥料の追肥は、行わず自然栽培に近い栽培方法を行っています。

平野部と違って、畑の周囲に電気柵を張り、3~4週間程度の頻度で草刈りを行ってます。

電気柵周りにもイノシシが入る

 

山の中の圃場のため、法面も長く、草刈りも本当に大変

斜面がきつく、スパイク長靴を履いて、しっかりと地面を踏ん張らないと草が刈れません。

 

 

また、生育も粘土質の圃場のため、砂地のサツマイモと違い、

形もいびつであったりします。

平野部の砂地の畑と違って、決して作りやすい条件ではない。

過酷な条件でありながら、地域の活性化、産業振興を掲げ、

地域一丸となってサツマイモ栽培を行っています。

悪条件の事ばかり述べましたが、

山間部にある畑は、

山からのミネラルを含んだ湧き水や森林に囲まれた朝露で芋がゆっくりと育っています。

2018年夏の猛暑でも耐えられるだけの自然環境の恵みがあります。

成熟するのに時間がかかり、手間暇も平地部よりも倍以上かかる分、サツマイモが美味しく育ちます。

 

【生産者】

速川のサツマイモは、65歳過ぎたおっちゃんたちが、半分ボランティアで栽培管理を行っている。

サツマイモ栽培を始めて5年たち、毎年・毎年 試行錯誤をしながら、

芋農家になっています。

氷見の里山は、集落内での協力は、区長を通して集結することはありますが、

速川のように集落の枠を超え、地区が1つになって協働・協力するような団結は、少ない。

速川は、40年以上の歴史の中で、集落の枠を超え、地域が1つになって

事業を進めようとするパワーがあり、他の地域も模範となれる地区です。

また、人手がいる苗植え、収穫においても、

集落の子供から年配者まで集まって作業をする素晴らしい場所です。

日名田集落の人々

 

【貯蔵方法】

収穫されたサツマイモは、

15度・湿度80%のハウス内で40日以上じっくりと熟成される。

この熟成ハウスも全て手作り。

湿度のある貯蔵で糖度を増し、美味しいサツマイモに仕上がる。

速川のサツマイモは、ふるさと納税や氷見漁港場外市場みのりの番屋

などで購入可能。

また、箱入りの贈答もおすすめ

※サツマイモの種類は、その年によって変わります

 

【種イモも速川産】

速川のサツマイモ、当初は他で苗を購入してきているが、

自分たちの畑で採れたサツマイモを種イモにして翌年栽培を行っている。

そうすることで、速川の土地にあったサツマイモを選別することになり

芋自身も土地に馴染むように進化し続けている

 

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