2017/03/05
氷見有機の里づくり協議会の研修会が、平成29年3月4日(土)稲泉農園カフェ・オーチャードで、2部構成で行われました。
第1部 大地の再生講座研修会のとりまとめ
昨年の講座の様子を20分弱の動画に纏めて上映
第1部は、氷見有機の里づくり協議会の構成員を対象に、昨年(平成28年)に行われた大地の再生講座研修会での土壌改善についての報告と、野菜の育て方についての意見交流会。15名ほどの構成員が参加しました。 土と植物、空気と水の流れについて、構成員の中で、より深意見交流が行われた。 また、氷見の農場で大地の再生講座を半年間行った結果、野菜の土壌改善と野菜の育て方について、どちらも熟知していなければ、化学肥料や農薬を使わない自然栽培での野菜づくりは、非常に難しいことが報告された。 特に粘土質土壌の多い氷見の圃場において、土壌の水分量を野菜が育つ適量に保つためにコントロールするには、風の草刈りを行いつつも、その時期、野菜の育成状況、野菜独自の特徴を相当熟練して把握しなければ、難しいとの意見が出された。 第2部 映画「春よこい」 の上映 と 我が国における里地・里山の変貌について
第2部は、有機の里づくり協議会 稲泉副会長から、「我が国における里地・里山の変貌」の報告があり、日本全国で起きている農林業の衰退による自然環境の崩壊について、報告があった。
2部からは、一般参加者も加わり、30名程度で行われた。
稲泉副会長の報告のあと、福島県の山間地のまたぎの営みのドキュメンタリー映画 『春よこい』 を観て、自然との共生について考えさせられた。
映画「春よこい」のチラシ
映画を見て、個人的には、氷見で暮らす前の富山市八尾の山奥・大長谷のことを思い出した。大長谷での暮らしは、この映画と同じような生活を皆さんがされている。 春は山菜取り、夏野菜をつくり、岩魚を釣り、秋にはキノコ狩り、冬に熊を狩猟 12月の冬至に穴で冬眠した熊を打つ穴熊猟も同じだった。 氷見では、熊は恐れらる生き物だが、大長谷では、恐れられることより、一緒に共生していく為に何をしなければならないのかを教わった。熊が集落に現れても、特段皆さんは、大騒ぎをしない。逆に熊が出たからと言って、新聞やテレビのニュースになることを嫌っている。また、大長谷地区では、熊による人災被害は、出されていない。なぜなら、人間と熊とのすみ分けが出来ており、マタギがしっかりと熊の保体数と自分たちが山の神様から頂ける冬場の蛋白源を把握しているからだ。 映画を観て、大長谷では、そばや稲にまで熊が荒らすことはなかったが、上映場所の福島県では、熊がそばや稲までも食べることが報告されたことに、衝撃をうけた。 中山間地域の営み、山との共存共栄、里山や里地を守り、保持していくことに意義があるが、そこに暮らす人々だけでは、高齢化・後継者不足等で全国各地悲鳴をあげている。 しかし、私が以前いた大長谷では、今新たな移住者が加わり、マタギや農業の後継者になろうとしている若者が複数いる状況にまでなった。いきなり移住ではなく、都市農村交流から始まった取り組み。私や多くの2地域定住者と、それらを受け入れてくれた地域住民の方々が携わって10年の年月を費やして、今進化を迎えている。 氷見の里山では、本当の意味での都市農村交流が、ようやく始まりかけたところ。これからも出来ることなら、氷見での里山の再生、後継者作りに少しでも携わっていきたい。