2017/05/12
4月中旬から5月上旬にかけて、脇之谷内では、田起こし(荒起こし・中起こし)、代掻き、草刈りが行われる。
田起こし
昔は馬や牛などに犂(すき)を牽引させて行っていた作業も、現在では、トラクタにロータリを装着して田起こしを行います。
米づくりの手順_田起こし・代掻き・草刈り
4月下旬から、5月上旬、いよいよ田植え前の準備で圃場整備が始まる。【荒起こし】
米を栽培するのに好ましい土壌にするため、- 雑草を減らす
- 有機物の埋没
- 表面水の排水
- 乾土効果(けんどこうか)
- 脇之谷内では、粘土質の土壌で、主変速1の副変速1(もっとも低いギア)で行われる。
- 畔塗前でああれば、畦から1.5mほど間隔を広げて荒起こしを行う。
- 荒起こしは、『の』の字で、隅部は、一度ロータリーを上げてから、バックして直角になるように行った。
荒起こしの様子
【中起こし】
脇之谷内では、荒起こしの終了後、田に水をはり、トラクターによって中起こしが行われる。中起こしを行うことで、粘土質の土を水となじま飽和状態の土を均一にさせる。トラクターの進行方向は、田植えと直角方向に浅く行われる。またロータリーの回転数と速度をあげ、土の微細化に心がける。中起こしの様子 写真右の濁った箇所が中起こしした後 写真左側は、荒起こしの土のムラがあるのが解る
【代掻き】
中起こし終了後、田植え5日前に代掻きが行われる。 代掻きを行うことで、- 圃場の土の水平を調整する。(土に凹凸があると、田植えのときに、苗が極端に水に浸かり成長できなかったり、水をはっても土が見えているところでは、雑草が繁茂に育つ恐れがある。)
- 土を細かく砕くことで、泥水となって、細かい粒子が水漏れの間隙を埋める効果がある。
- 畦廻りは、主変速1、副変速1で行うが、その他の部分は、主変速2(中速)、副変速1(低速)のギア比で行った。
- 始めに苗植えの直角方向で、ロータリーを下げたまま、1つ置きに起こし、その後苗植えと並行方向でロータリーを下げたままで起こした。
代掻きの様子
トラクターで旋回する場所は、凸凹になり易く、柄振(エブリ)を使って丁寧に均す柄振(エブリ) 昔から使われている道具。均す以外にも、実を収獲するときにも役立つ
2年目の平成29年度、昨年均一に代掻きが出来なかったところは、苗が十分に育たなかったこともあって反省し、今回は、時間が許す限り代掻きを行った。
地域の人たちは、1~2時間で終わることろを、4時間から6時間かけた。
おかげで、久しぶりに血豆が出来た。
時間かけて代掻き作業をやっていると、村の人が見てくれ、応援してくれる。
「たいそうなことやっているね (氷見弁で『大変なこと(疲れること)をしているの意味』)」
田舎で地域に馴染み溶け込みスローライフを楽しみたいのなら、地道な農作業が当たり前だと思う
農作業をせず、田舎暮らしを行うと、地域との絆や連携、連帯感が希薄になりかねないので、是非圃場の大きさに関わらず農作業を行って欲しい。
そして、農作業を通して地域の方々と挨拶、会話を広げて、会話の中から地域の人々が持っている宝を情報発信や形にして欲しい。
【草刈り】
田植え時に苗を運ぶ安全性、害虫排除を目的とし、草刈りが行われる。
草刈りを怠ると、害虫が、柔らかい苗を食べてしまう恐れがある。
草刈り完了後の畔