2017/07/13
中干し
中干しは、田植えの後、田は常に水が湛えられた状態になっているため、放っておくと稲にとって有害なガスや酸が発生し根の発育に悪影響を及ぼす。そのため時々水を抜いて田干しを行う必要があり、これによって土中酸素が補給されると共に、有害ガスも放出されるため稲の根の発育は旺盛になります。また、根の一部を水根から畑根に変え、土を固くして、稲を倒れにくくする効果もあります。中干しを一度もしないと穂が出始めると稲が倒れてきます。中干しは米作りにはとても重要な作業です。
平成29年6月17、18日溝堀を行った。 昨年は、溝掘りを外周と真ん中だけで、排水が上手くいかず、稲刈り時にコンバインが入らず手刈りをするという厳しい体験をしたので、今年は、溝を昨年の3倍程度行った。(平成28年は、6月14日に実施)平成29年の溝掘り
水を多く含んでいる場所は、1.5m@で行いそうでない場所でも3.0m@で溝を掘っていった。 この作業ぬかるみの場所でしなければならず、足腰が鍛わる!
田んぼ、農機具の師匠と溝切り機
脇之谷内の圃場は、粘土質の圃場のため、土が湿潤状態にある。用水の水を利用せずとも、梅雨の雨で大丈夫だとのこと。
上記コメントの通り、中干しをすることで、根をしっかり張り倒れない稲づくりが行われる。 また、圃場の外周に溝をほる作業もこの時期に行なった。師匠は、収穫時期にコンバインが入りやすくするよう溝を切ることで、排水効果を高めるとの説明だった。 師匠の説明以外でも、矢野智徳氏の大地の再生講座で溝を掘ることで、 大地の空気の流れが良くなる→根が空気の流れとともに張る→根の数を増やし倒れにくくする という、稲についても良い効果があることが裏付けられる。秋になったら稲を掘り起こし、根の研究を行おう。溝掘り機で溝掘り作業(平成28年撮影)
溝掘り作業(平成29年) 昨年に比べて、かなりしんどい。 けど、近所の82歳の婆ちゃんも、溝掘り機使うのは、すごい! また、別のおじちゃんは、専用鍬で溝掘りを行う。 まだまだあまっちょろい自分です(-_-;)
理想の溝掘り状態
粘土質の土壌は、過飽和状態だと、溝が復元してしまうので、ある程度乾燥した状態で行わなければならない。
土木工学では、摩擦杭で基礎杭を構築する場合には、掘った当時には、間隙(すき間)があるが、20日程度で復元する習性を利用している。
師匠は、溝切りは、外周廻りと中心に1列程度でよいと言われたが、通常の農作業では、8~10条で1列程度の溝切りを行うのが理想らしい。
土木では、水が低いほうへ流れる習性を利用してウエルポイント工法がある。
田んぼの作業、土木工学と通じるものがあるのが面白い。