2020/09/13
田舎暮らしの窓口として、移住相談員という制度がありますが、個人的には危機感を感じている。
なぜなら、地域と都市住民を繋げる役割の移住相談員だが、地域に馴染んでいない相談員が多くいるように感じるからだ。
そのことについて、今回はゆとりさとり世代が移住定住を行っている現状の課題と問題点、地域に溶け込むコツについて記述してみる。
溶け込めていない移住相談員
先日、某移住者が富山県氷見市IJU(移住)センターを利用して引っ越してきました。
引っ越してきた人曰く、
移住者「IJUの人が、畑もお金を出せば貸してくれるって言っていました」
そこにいた地域のおばちゃんは、びっくり
おばちゃん「畑は、お金を出さなくても貸してくれるよ」
富山県内では、地域おこし協力隊や移住定住コンシェルジュといった制度で、移住者の受入れ窓口となっている制度があります。
移住者にとっては、地域おこし協力隊や移住定住コンシェルジュと言う名の肩書の人々は地域に暮らす先駆者であり、頼りになる存在ですが、残念なことに地域のことをあまり知っていないというか、関わっていないのケースが年々増えてきて上記のように地域の人々がびっくりするような会話になっている傾向があります。
ゆとり・さとり世代が行う移住定住支援
私が東京から北陸に移住してきて、10年前の富山県の移住定住コンシェルジュは、同年代の人が多く年配の頑固爺やめんどくさそうなオヤジなどの地域の人々に積極的に関り、地域の情報を得ようと努力していたことが懐かしいし、それが当たり前だと思っていました。
が、近年の地域おこし協力隊や移住定住コンシェルジュが行っている都市住民の田舎暮らしの案内は、
20代から30代が主流のゆとり・さとり世代と言われる若者。
彼らの特徴は、
現実に向き合うチカラが乏しく、指示待ちを好み、失敗を恐れ、プライベートを優先する傾向がある
根拠はこちら https://www.kaonavi.jp/dictionary/yutori-employee/
そんな特徴から、ゆとりさとり世代が移住定住の業務に携わると、年配の頑固爺やめんどくさそうなオヤジなどの地域の人と関わらず(失敗が怖り)、怒りも叱りもしなく自分たちを褒めてくれる優しい人=大半が行政の紹介(行政と関係がズブズブ)だけにしか関係性をもたず(指示されたことだけに動く)、地域と良好な関係が構築していると勘違いしているケースが富山県内に限らず全国各地でも問題視されている。
※ゆとりさとりせだいの移住定住に関わる人もそうだが、担当者や担当係長も今は、ゆとりさとり世代で同じ世代同士。
そのため、過疎化が進んで高齢者が多く存在する田舎の実情をゆとりさとり世代同士の行政職員と外部から入ってきた地域おこし協力隊や移住定住相談員だけで完結してしまうことが多く、かなりたちが悪い・・・さらに今の行政内部では、ゆとりさとり世代の係長や担当者に叱れない課長・部長 叱って仕事出社拒否や退職すると自分の評価が下がる それなら、彼らが気付くまで待とう と言って、気付かずまた3年任期で新しいゆとり・さとり世代が担当になったり、注意するべき管理職が他部署に変わって責任を取らないという負の連鎖
被害を被るのは、移住希望者や地域住民 という実態が年々酷くなっている傾向がある。
行政と関係がズブズブな地域と独自での自立地域
行政との関係がズブズブな地域とは、そこにはびこる深い利権や有力代議士が絡んでいる場合が多い。
そんなズブズブ地域は、十年以上補助金助成金にズブズブ漬かりきっている場合が多い。
地方の田舎では外注する業者も数が少なく、毎回同じコンサル会社や出版会社に依頼するため、その会社がズブズブな関係の地域ばかりをクローズアップする傾向もある。移住定住の冊子も年度毎に新しいものがこういった出版会社やコンサル会社で作られる場合が多く、毎回同じ人材や地域ばかりが取りだたされている傾向もある。
そうやって、毎回取り出しているところを成功事例と称し、成功事例なら他にも広がるはずなのに、広がらず自分たちの利権を保持している傾向が目立ってきているが、行政を監視する議員も有力代議士の目があるから指摘もせずズブズブな傾向が目立っている。
大長谷時代や氷見においてもそのようなズブズブな地域を横目にし、まずは失敗と経験を繰り返しながら地域独自での自立採算を模索しながら実績・実力を高めていき、ズブズブな行政職員が反対出来ないくらいの力をつけることが大事だと著者は考えている。
行政とズブズブな関係でなく地域独自で頑張っている地域もあるが、極めて少ない。大長谷もコンパクトシティ構想から反して賑やかになっているが、富山市での評価はまだまだ低い。
全国での成功事例としては、鹿児島県鹿屋市「やねだん」、山梨県北杜市「えがおをつなげて」、岡山県美作市の「英田上山棚田団」などがあげられる。
上記の先駆的な地域は、市が認めなくても県や国が認めるような活動を行い、あとで市も認めざる得ない環境や状況を作って逆転現象となる。
このような地域は、基盤がしっかりしているのでモデルケースにもなってそれが県や国の施策にもなりえる。
富山県内でも、新湊の内川六角堂CAFEや南砺市井波町ゲストハウスBED AND CRAFT tae などが先駆的に地域活性化を行っている。
農村部では、未だ行政主導型が多く、この分野でNOMACHIを含めひみ里山くらぶの地域が自立した地域活性化に向けて活動出来るような都市農村交流を365日受け入れて地域活性化を目指している。
田舎に溶け込むコツ
では、間違いの少なく定住につながる移住定住のコツとして、田舎で暮らす人々の生活を一緒に体感することをお勧めします。
例えば今の時期なら、稲刈りや籾摺り
新米の籾摺り作業(速川地区)
行政主導型の都市農村交流体験プログラムをした場合、田植えや稲刈りはありますが、少人数での籾すりをさせていただくような体験プログラムはなかなかない。
なぜなら、田植えや稲刈りの体験プログラムは、大人数でも出来るから。
しかし本来の農家さんが行っている田植えや稲刈りの実作業は、手植えや手刈りをせず、田植え機で苗を植え、コンバインで稲を刈る作業が主流。だから、行政主導型の場合、10年以上前の体験イベントを未だに継続し、変革することもなく(例年通りという言葉が大好きな方々)、わざわざ都会の人たちのために忙しい時期に時間を割いて行っている体験場合が多い。
ですから、本当に田舎で暮らす人々が望んでいるのは、自分たちの生活の一部のお手伝いです。
私の場合も、氷見に訪れる前に2地域居住で10年間大長谷のおじいちゃんのところで、何度も地域(田舎)で暮らす生活の一部のお手伝いを行っていた経験からいろいろな事を学びました。
しかし今の地域おこし協力隊や移住定住コンシェルジュの人々の多くはゆとりさとり世代
「叱られたらどうしよう」
「失敗したらどうしよう」
「頼まれてもいないことを自ら出来ない」
など、ネガティブで消極的なメンタルが多く、結果地域の日常の中に入り込めていないのが現状です。
今回も農家さんから、
『お前さん、慣れて、上手だね~。どっかで農家していたんかい?』
とお誉めの言葉を頂くことが多く、そこから深掘りした会話に入ることが出来ます。
このような肉体労働をすることで、田舎(地域)の人々もこころを許し、田んぼや畑の世話までしてくれる場合も多いです。
実際に私自身、関わる地域の先々で畑や田んぼを貸してあげるという相談を多く言われていますし、今私自身が携わっている農地は、
田んぼ;3反3枚 (全て) 5反5枚(草刈り年間契約) 2丁(不定期・応援)
畑: 2反(全て) 5反(草刈り・休遊地) 6反(梅園管理)
山:2反(椎茸のホダ場)
結果2丁5反の田んぼや畑に携わっていることになる。
よく地域おこし協力隊や移住者の中で地域の人々が田畑を貸してくれないと嘆く人々がいるが、私からしてみたら、自分たちの感性でしか活動せず、地域貢献になっていないから、貸せない状況を作っているのが自分自身だということを自覚して欲しい。
30kgの米袋 一つ一つ手作業でパレットに摘んで行く
じいちゃんたちは、2人一組で持ち上げていますが、結構な重労働
籾すりは、30kgある玄米の積み下ろしがあるので、肉体労働。
現在高齢化している水稲農業において重労働の一つです。
今回お世話になったお二人(速川地区)
地味な作業ですが、高齢になった農家さんがお手伝いを希望したくてもなかなかお願い出来ない作業です。
もし、このブログを読んでいて、高齢水稲農家さんと関わりのある都市住民の方がいるのなら、是非籾すりのお手伝いを自ら持ちかけてみてください。
また、NOMACHI(本HP運営者)は、秋以外も365日農村体験を受入れも行っていますし、ここまでハードルを高くせず、女性や子供でも出来る農村体験プランも用意しています。
大人から子供も楽しめる農村体験動画